文 章 資 料 集
《 昭和二十八年 》
(9月28日)パラマウント映画「宇宙戦争」日本公開
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《 昭和二十九年 》
※関沢新一氏はこの頃から宇宙映画の構想を始めたとのこと。(「内外タイムス」昭和31年9月28日号、「映画ファン」昭和31年12月号)
(11月3日)東宝映画「ゴジラ」公開
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《 昭和三十年 》
(4月24日)東宝映画「ゴジラの逆襲」公開
(12月26日)ユニバーサル映画「宇宙水爆戦」日本公開
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《 昭和三十一年 》
(1月29日)大映映画「宇宙人東京に現わる」公開
(5月26日)国光映画株式会社設立
※(この頃、関沢原案による宇宙映画の企画書が作成される?)
※国光映画、自社製作映画の配給(製作協力込み?)を松竹・東宝に打診するが好回答を得られず。一方、新東宝では製作スケジュールに穴が開き、新しい企画が必要になった。相談を受けた国光映画の小笠原社長は関沢原案の企画を推薦し、新東宝での配給と製作協力を取り付ける。(東京中日新聞 昭和31年9月9日号)
宇宙の十字架 地球は狙われている!! 準備稿(国光映画、昭和31年7月?日発行) 製作・国光映画、脚本監督・関沢新一、特撮・新東宝特殊技術 (シナリオ省略) |
CINEMA TIMES 映画時報 昭和31年8月号(合同通信社、昭和31年8月1日発行) 国光映画は特殊撮影による「宇宙の十字架・地球は狙われている」を脚本・監督関新一、主演宇津井健、森悠子らのスタッフ、キャストで製作中である。 |
(8月10日)コロンビア映画「世紀の謎空飛ぶ円盤地球を襲撃す」日本公開
映倫審査(脚本) 昭和31年8月15日(水)受付/18日(土)終了 空飛ぶ円盤 地球は狙われている 宇宙編 |
東京中日新聞 昭和31年8月29日(水)8面 スタジオ・メモ ◇国光映画「地球は狙われている」(関沢新一監督)空想科学もの。 |
空飛ぶ円盤 地球は狙われている 宇宙編(国光映画株式会社、発行日不明) 決定稿1 製作・国光映画、脚本監督・関沢新一、特殊技術・新東宝特殊技術 その他のスタッフ・キャストは空欄 (シナリオ省略) |
空飛ぶ円盤 地球は狙われている 宇宙編(新東宝、昭和31年9月?日発行) 決定稿2 |
大阪新聞 昭和31年9月2日(日)4面 銀幕通信 ◇…関沢新一監督「空飛ぶ円盤・地球は狙われている・宇宙編」(国光映画)の主演に宇津井健が決定。九月二日撮影開始。 |
サンケイスポーツ 昭和31年9月2日(日)4面 スタジオニュース ◇国光映画「空飛ぶ円盤・地球は狙われている・宇宙編」(監督関沢新一)は主演に宇津井健が決まった。 |
オールスポーツ 昭和31年9月2日(日)4面 スタジオ短信 ▼国光映画「空飛ぶ円盤・地球は狙われている・宇宙編」(監督関沢新一)は主演に宇津井健が決定、九月二日特撮開始、六日からセット・インする。 |
東京中日新聞 昭和31年9月4日(火)8面 宇津井健の主演決定 国光映画「空飛ぶ円盤…」 国光映画「空飛ぶ円盤・地球は狙われている・宇宙編」の主演に宇津井健が決定。監督は関沢新一で六日からセット・インする。 |
東京中日新聞 昭和31年9月5日(水)8面 スタジオ・メモ ◇国光映画「地球は狙われている」(関沢新一監督)は空想科学もの。現在、特撮中で本編は十日から。 |
毎日新聞 昭和31年9月7日(金)夕刊3面 映画界も宇宙に関心 新東宝で「空飛ぶ円盤」を製作 きょうは火星が大接近と、最近宇宙への関心がにわかに高まってきたが、この宇宙熱をあてこんで新東宝では宇宙科学映画「空飛ぶ円盤・地球は狙われている」を企画。製作準備を進めている。 これは清水宏監督の門下で、宇宙マニアの関沢新一監督が自分で原作をこしらえ脚本も書き演出をするもので、彼の監督第一回作品。内容ははるか宇宙のかなたの星雲M87のある惑星から、空飛ぶ円盤が地球に飛来する。この円盤はロボットが操縦、怪光線を発射してさんざん地球を痛めつけるが、日本の老科学者が発明したロケットR1号が首尾よく円盤を撃破するという話。高島忠夫らが出演する。 十日ごろから撮影を開始するが、問題は映画の半分を占めるトリックなどの特殊技術撮影。カメラの黒田武一郎が中心になり、あらかじめ特撮部分だけの絵コンテ百枚を作って、空飛ぶ円盤、怪ロボット、ロケットR1号のミニチュア(模型)の製作にかかっている。 円盤は直径五十㍍の巨大なものということになっているが、模型は大三㍍、中一㍍、小五十㌢の三種類。アメリカ映画に出てくる円盤は外輪部が回転するが、新東宝の円盤は中心部が回るところがミソで、この点はアメリカ物より進んでいるとスタッフは自慢。 また怪ロボットは内に人間が入って操作するので二㍍の大きさ。大きな複眼をもったこん虫のような顔つきで全体にイボが突起しているという変ったもの。金アミで形をとったうえにゴム質のプラスチックでおおって、動きやすいように作られている。 [イラスト]カットは空飛ぶ円盤のデザイン(ペン画、円盤内部に複数のロボットが豆粒ほどの大きさで描かれている) |
サンケイスポーツ 昭和31年9月8日(日)4面 スタジオニュース ◇…国光映画「地球は狙われている」(監督関沢新一)は主演に高島忠夫を決定した。 |
(9月8日)MGM映画「禁断の惑星」日本公開
東京中日新聞 昭和31年9月9日(日)8面 明暗二相 独立プロ/大ヒット「オセロ」/「女優」も乙羽で製作開始 映画のシーズン・秋がやってきて独立プロもようやく活発になってきた。だが邦画六社から敬遠されているので“企画は立てど成算なし”で相変らずすべり出しが悪い。この一方独立映画が配給した「オセロ」の大ヒット、民芸の「あやに愛しき」「夜あけ朝あけ」の好成績があって、明るい面も出てきた。以下は独立プロの明暗。 明 (中略) 陽の目みる「地球は狙われている」 また「地球は狙われている」が国光プロという無名の会社で作られているが、ハリウッド映画をまねた“空飛ぶ円盤”を描いたもので、大映、東宝が配給をけって暗礁にのり上げたが、新東宝が一千万円の金を投げだし、暗い表情がパーッと明るくなり、特殊撮影の企画が独立プロの生きる道になった格好。 暗 (以下略) |
映画倫理規程審査記録86号 31.8.1~31.8.31(映画倫理規程管理委員會、昭和31年9月10日発行)p41 ☆審査脚本一覧
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サンケイスポーツ 昭和31年9月11日(火)4面 スタジオニュース ◇…国光映画「地球は狙われている」(監督関沢真二)は主演が高島忠夫、江畑絢子とようやく決定した。 |
東京中日新聞 昭和31年9月12日(水)8面 スタジオ・メモ 国光映画 ◇「地球は狙われている」は関沢新一第一回作品、現在特撮中。高島忠夫、江畑絢子主演。新東宝配給と決定。 |
東京タイムズ 昭和31年9月16日(日)6面 二つの空想科学映画 新東宝と東宝で特殊撮影の粋こらして…… 空飛ぶ円盤襲来す 新東宝 米国製より進歩が自慢 最近「空飛ぶ円盤地球を攻撃す」「怪獣ウラン」それに「禁断の惑星」など洋画界には空想科学映画の入荷が活発になり、一方出版界でもこうした小説が大当たりだという。このブームに乗って邦画界でも目下二つの空想科学映画が撮影されている。新東宝「空飛ぶ円盤・地球は狙われている」と東宝「空の大怪獣ラドン」の二つ。空想物でも、もはや安手なトリックでは観客も受けつけず、ここで両者とも特殊撮影の粋をこらして、あの手この手と新機軸を考えている。 新東宝「空飛ぶ円盤・地球は狙われている」は清水宏監督の下で永い間第一助監をつとめていた関沢新一の監督昇進第一回作だが、彼は熱心なアマチュア宇宙研究家でかねてから空想ものをやりたいと計画していたところ、やっと念願が叶ったわけ。この脚本も同監督のオリジナルだ。内容は、例によって空飛ぶ円盤が地球を攻撃し、地球上にない反陽子エネルギーをもつ怪光線を放射して各都市を破壊する。そこで老科学者が中心になって、この強力な破壊力にたえる特殊金属で作ったR一号ロケットを発明し、円盤を撃退するという話だが、関沢監督は上村貞雄キャメラマンと協力し特殊撮影の面にいろいろ新機軸をこらしているので、この中から二、三の話題を拾ってみると…… まず円盤のミニチュアー(模型)だが、実際の想定は直径五十㍍。模型は三㍍、二㍍五十㌢の三通り作って撮影に応じて使いわける。寄りの時は大型、ロングの時は小型といった具合。形は、アメリカ映画に出てくる円盤は周囲が回転するが、これは逆に心棒に当る部分が回転し、中心から放射状に五本の溝が出ていて、進行しながら怪光線が発射できる。この点はアメリカ映画より進んでいると関沢監督たちは自慢している。なおこれは木製でその上にプラスチックを張り、さらに銀粉をまぶしたもの。 つぎは円盤から出てくるロボットだが、図のデッサン通り、その格好は特撮美術部の苦心に成るもの。高さは六尺二寸、体中にイボのような突起がある。頭はちょうどトンボのような昆虫を思わせ、複眼にあたる所がシャッターのように開閉する。金網で形を作り、その上にプラスチックを塗って銀粉をまぶした点は円盤と同じ。このロボット君に、どういう名前をつけるか目下思案中。さらにこれには水中撮影が数ヵ所行われるが、今まで水撮というとキャメラマンが潜水服を着て撮影したが、こんどは例の「沈黙の世界」でアッピールした軽快なアクアラングを使用している。キャメラの方もプリンプ(キャメラを入れる箱)をはじめて採用した。透明度のいい真鶴の海で撮影したが、水温が低く、海流のためにキャメラが固定できず、一日がかりでわずか二カットという苦心ぶりだ。 その他、今まで煙を出す方法としてはドライ・アイスを使用するのが常識だったが、これは液体酸素を使って新機軸をだそうと試み、煙の演出を考案中というわけ。 [写真]プリンプと上村貞雄特撮キャメラマン(水中撮影スナップA) [写真]写真は円盤から出てくる宇宙人のロボット原図と㊦空飛ぶ円盤のロボット |
新夕刊 昭和31年9月18日(火)4面 水中肺を使って海中撮影 効果上げる初の試み 新東宝「地球は狙われている」で 「空飛ぶ円盤地球を襲撃す」「禁断の惑星」など、アメリカの空想宇宙科学映画が日本の銀幕を賑わせている折から、今度日本でも国光映画製作、新東宝配給による「空飛ぶ円盤・地球は狙われている」(監督関沢新一)が製作を開始した、この種の映画は日本では今年の正月公開された大映の「宇宙人東京に現わる」があるが、それにくらべると「地球は狙われている」の方が幾分科学的といえるかも知れない M87星雲から、ロボツトの操縦する円盤が地球を襲い、怪光線を発射して地球は壊滅の危機にさらされるが、或る宇宙博士の発明したロケツトが、空中戦の結果円盤を撃墜するというのが大体のストーリイ、この撮影は空中撮影と地上における普通の撮影と水中撮影の三つに分れ、まず水中撮影からクランクが開始された これは高島忠夫ふんする新聞記者とその恋人江畑絢子が、モーター・ボートで遊んでいるところへ空飛ぶ円盤が襲来、二人が海中に飛びこむ場面で、神奈川県真鶴海岸で撮影された、真鶴海岸が選ばれたのはこの付近が海の透明度が高く水中撮影に適しているからである さて撮影は五十トンの漁船に酸素ボンベ八本を積みこんで海上に出る、これまで水中撮影といえば潜水服をつけて海に潜つたものだが今度の撮影ではフランスの海底記録映画「沈黙の世界」で使われたアクアラング(水中肺)が初めて用いられた、キヤメラマンはこのアクアラングを背負い、足に水カキをつけ、海面下約六、七米の深さまで水中キヤメラ、プリンプを抱えて潜つて撮影するわけだが、海面は穏やかでも海底は波の揺れが大きく、また水温も非常に低いので撮影は困難を極め、一日がかりで僅か六カツトしか撮れない有様だつた、しかしアクアラングを使つての水中撮影は特撮プールでの撮影などに比べると非常にリアルな効果を上げているようだ [写真]【写真は水中にもぐるスタッフ】(水中撮影スナップB) |
夕刊京都 昭和31年9月19日(水)4面 水中肺使って撮影 日本映画初の試み 「地球は狙われている」で 「空飛ぶ円盤地球を襲撃す」「禁断の惑星」など、アメリカの空想宇宙科学映画が日本の銀幕を賑わせている折から、今度日本でも国光映画製作、新東宝配給による「空飛ぶ円盤・地球は狙われる」(監督関沢新一)が製作を開始した。この種の映画は日本では今年の正月公開された大映の「宇宙人東京に現わる」があるが、それにくらべると「地球は狙われる」の方が幾分科学的といえるかも知れない。 M87星雲から、ロボットの操縦する円盤が地球を襲い、怪光線を発射して地球は壊滅の危機にさらされるが、ある宇宙博士の発明したロケットが、空中戦の結果円盤を撃墜するというのが大体のストーリィ。この撮影は、空中撮影と地上における普通の撮影と水中撮影の三つに分れ、まず水中撮影からクランクが開始された。 これは高島忠夫ふんする新聞記者とその恋人江畑絢子が、モーター・ボートで遊んでいるところへ空飛ぶ円盤が襲来、二人が海中に飛びこむ場面で、神奈川県真鶴海岸で撮影された。真鶴海岸が選ばれたのは、この付近が海の透明度が高く水中撮影に適しているからである。さて撮影は五十㌧の漁船に酸素ボンベ八本を積みこんで海上に出る。これまで水中撮影というば潜水服をつけて海に潜つたものだが、今度の撮影では、フランスの海底記録映画「沈黙の世界」で使われたアクアラング(水中肺)が初めて用いられた。キャメラマンはこのアクアラングを背負い、足に水カキをつけ、海面下約六、七㍍の深さまで水中キャメラ、プリンプを抱えて潜つて撮影するわけだが、海面は穏やかでも海底は波の揺れが大きく撮影は困難を極め、一日がかりでわずか六カットしか撮れない有様だつた。しかしアクアラングを使つての水中撮影は特撮プールでの撮影などに比べると非常にリアルで効果的だ。 |
東京中日新聞 昭和31年9月19日(水)8面 スタジオ・メモ 国光映画 ◇「地球は狙われている」空想科学もの、特撮と本編の二班で撮影中。(新東宝配給) |
新東宝 STUDIO NEWS (新東宝宣伝課発行、昭和31年9月20日(木)配布) これは單なるお伽話ではない!火星か?M87星雲か? 邦画最初の本格的宇宙科学映画、国民の熱狂的関心に応えて登場!
解 説
米ソの水爆実験が連日のように続けられ、日本は正に東西から数万カウントを超える放射能雨を浴びて、全国が水爆ノイローゼの絶頂に達した。この時、これまで幻覚として一笑に付せられて來た謎の空飛ぶ円盤による被害がニューヨークから入電、やがて、ロンドン、香港からも入電。大東京新報社の編集局は俄然色めき立った。その翌日、大阪に飛来したとの大阪支社の報道に接してから十数分経過後には早くも東京上空に異様な金属音を立てて現われた。防衛庁では早速これが対策を立てるべく緊急会議を開き、大変強力な破壞光線を武器とするこの謎の敵に対する防衛措置のために先ず原子核研究の大槻博士、科研の黒井博士の意見を聴取した。 大東京新報社の新鋭記者林正夫は、その恋人保科薫が秘書をしている大槻博士を訪れ円盤の正体に就て尋ねた。 大槻博士によると、円盤から発射される怪光線のエネルギーは地球上に存在しない物質、反陽子から構成されており、これに耐え得る高精能特殊金属の研究については、覆面の科学者の手によって今や完成寸前にあると云う事だった。 その翌未明、赤坂の国民テレビの鉄塔の尖端に巨大な円盤が現われた。直ちに自衛隊の機械化部隊は大挙現場に急行、電波網を通じて都全域は緊急事態命令下に置かれた。円盤の上下にある白球体からは怪光線が発射され、中からは怪ロボットが姿をみせた。円盤攻撃に尻立ったジェット機の数編隊は怪光線を浴び、瞬間にして空間に姿を消失、議亊堂、テレビ塔など都会の中枢機関は次々に破懐されて行った。 この悪夢のような現実の中にも宇宙科学陣は尚必死の研究を進め、ロボットの発する異様な音響の解読に成功 その内容は、今は亡きとされて來た宇宙科学の権威、保科老博士に当て、“ロケットを引渡さずば 地球を滅亡さす”とあった。老博士は戦亊中軍に非協力だったので過酷な拷問をうけ半身不隨となり、今は死んだも同様だったが、かの覆面の科学者こそ正にこの保科博士だったのである。近代的設備を誇る研究室、そして地下大格納庫には、秘密のR1号ロケットの巨姿が横たわっていた。 円盤は、伊豆の西海岸に眠るこの保科博士の地下格納庫を嗅ぎつけてか、海中から接近して来た。と、いつしか怪ロボットが研究室に闖入、しかし、忽ち姿を見失ってしまった。保科博士は直ちに誘導小型ロケット弾の発射を命令した。だが円盤は空中に多少の動搖を見せただけで急上昇で宇宙の彼方へ飛び去った。ところが海底に姿を隱くしていたロボットが、折しも夜の海辺に寄り添う林と薫を襲い、薫は逆吊りにされて海へ連れ込まれ、波打際で瀕死の状態に墮った。 一旦飛び去った円盤は再び宇宙から飛来、その反撃が予想され、地球上は一大戒厳令下に入った。円盤の発する怪光線の猛威は猖獗を極め、工場地帶は瞬時にして吹ッ飛ばされ、惨劇は地獄絵図を想わせた。他方、保科博士の伊豆の大格納庫では、円盤攻撃の準備を着々完了、遂に老博士によってR一号ロケットは人類救済のために発進。と、この時研究室に闖入して来ていた怪ロボットの一撃を喰らって老博士は失神した。大格納庫は円盤の攻撃を受けて木葉微塵に粉碎され、R一号は辛くも危機を脱して海中より急上昇、遁走せんとする円盤と一大空中戦を展開した。 ロケットを尻目に遙か宇宙に刻々姿を小さくして行く円盤に対し、遂にXQ陽子破壞砲が発射され、円盤は一大閃光と共に十字架状の爆煙を残して烏有に帰した。 かくてR一号は遙か宇宙から地球への帰途に着いた。 |
中日スポーツ 昭和31年9月21日(金)4面 水中肺使って海底撮影 「地球は狙われている」で初の試み ▽…「空飛ぶ円盤地球を襲撃す」「禁断の惑星」など、アメリカの空想宇宙科学映画が日本の銀幕をにぎわしている折から、こんど日本でも国光映画製作、新東宝配給による「空飛ぶ円盤・地球は狙われている」(監督・関沢新一)が製作を開始した。 ▽…M87星雲から、ロボットの操縦する円盤が地球を襲い怪光線を発射して地球は壊滅の危機にさらされるが、ある宇宙博士の発明したロケットが、空中戦の結果円盤を撃墜するというのが大体のストーリー。この撮影は空中撮影と地上における普通の撮影と水中撮影からクランクが開始された。 ▽…これは高島忠夫ふんする新聞記者とその恋人江畑絢子が、モーター・ボートで遊んでいるところへ空飛ぶ円盤が襲来、二人が海中に飛びこむ場面で、神奈川県真鶴海岸で撮影された。 ▽…これまで水中撮影といえば潜水服をつけて海にもぐっていたものだが、今度の撮影ではフランスの海底記録映画「沈黙の世界」で使われたアクアラング(水中肺)が初めて用いられた。キャメラマンはこのアクアラングを背負い、足に水カキをつけ、海面下約六、七㍍の深さまで水中カメラ、プリンプを抱えて潜って撮影するわけだが、特撮プールでの撮影などに比べると非常にリアルな効果が期待できようとスタッフは張切っている。 [写真]【写真はアクアラングをつけて水中にもぐるスタッフ】(水中撮影スナップB) |
日刊スポーツ 昭和31年9月21日(金)8面 円盤もの日本版近く登場 空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃 地球を襲う円盤 見どころ 戦闘場面 苦心の“ロケット攻撃” “空飛ぶ円盤”“火星接近”――この科学の波に乗ってアメリカ映画「禁断の惑星」は普通の劇映画以上の客足を集めているが、新東宝でも日本版“円盤もの”の第一作として「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」を近く製作開始する。これは「禁断の惑星」とは逆に、円盤が地球を襲撃する筋立てになっており、怪光線を出す円盤やロボットあるいは円盤を攻撃するロケットなどが登場して、未来世界の戦闘をくりひろげる。特殊撮影の準備に入っているこの映画の話題を集めてみた。 「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」(空飛ぶ円盤地球は狙われている改題)に姿を現わす“円盤”は、M87星雲から地球上に襲ってくる。ニューヨーク、パリ、香港、各地を襲撃して甚大な被害を与えて、今にも東京を襲おうとしている。この“円盤”は水中、地上、空中いずれも自由に快速力で走るもので、得体の知れない怪光線を発射する。この光線の前には、いかなる新兵器も歯がたたない。この“円盤”にはロボットが乗っている。何の目的で“円盤”が地球を襲うのか理由が分らない。この攻撃を受けて地球上の科学者は対抗兵器の発明に頭を悩ますが、急の間に完成しない。 東京が襲撃される直後、一老科学者が、怪光線に耐え得る一万度の熱でも融けない特殊金属で出来たロケットとXQ破壊砲を作り、これで“円盤”を爆破させるという筋になっている。 ロボットに新機軸 水中撮影もやる円盤 この映画の狙いは“円盤”ロケット、ロボットの内部のシカケを見せるのではなく、宇宙を背景に“円盤”の地球襲撃とか“円盤”対ロケットの攻撃の想像を越えた戦闘シーンを見せる算段のようだ。ニューヨーク、パリなど外国の場面はニュース映画から取材するが空を飛ぶ円盤の姿はヘリコプターでの空中撮影、海中を疾駆する“円盤”はプールや水槽を使い、またわが国では初めてだというアクア・ラングをつけての水中撮影も行うことになっている。“円盤”は直径五十㌢、一㍍、三㍍の三種を作り、それぞれ水中、空中用と使い分けている。新機軸を出そうとしているのはロボットで、今までの人間じみたロボットから趣向を変えて上半身はコン虫様にして、複眼の間から怪光線を発射できるよう製作している。 製作は新東宝特殊技術部が担当。上村技師が指導しているが最も苦心しているのは、最後に“円盤”にロケットが攻撃して壊滅させるシーンで、この破壊後、十字架様に白い煙を出すというのだが、マイナス二百度の液体酸素をどう噴流させるか頭を絞っている。ロケットの発射の噴流はタンサンソーダの固体をボンベに詰めこんで自動的に噴射できるよう仕掛けるという。 皆で楽しめるものに 撮影に当る岡沢新一監督は清水宏の“蜂の巣の家”に属し、十数年清水監督に師事してきた人で、この映画が監督第一回作品。脚本も書き、美術、編集、作詞も出来るという多才な新監督だが、この空想科学映画の演出に当って次のように語っている。 「脚本には特にヒントはない。小さい時から科学に興味を持っていて自分自身の空想を楽しんでいた。空想を書いたもので科学性に立脚したものではない。大人も子供も同じように楽しめる自由奔放なものにしてみたい」 [写真]㊤高島忠夫が持っているのが“円盤”これが宇宙をかけめぐることになる。江畑絢子の持っているのはロケット(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップB) [写真]㊦“円盤”丸の内に現わる(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
名古屋タイムズ 昭和31年9月22日(土)4面 「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」撮影入り 特撮陣を駆使した空想科学映画 新東宝の「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」は監督関沢新一、キャスト高島忠夫、天知茂、江畑絢子らで、このほど伊豆ロケ、水中撮影からクランク・イン。(写真1) これは新東宝が誇る伝統の特撮スタッフを強力に駆使しようとする空想科学映画。空飛ぶ円盤に乗って、地球を攻撃するこの怪ロボット(写真2)は水陸を自在に活動する。ニューヨークロンドンを攻撃、ついに日本にまでその魔手をのばす。日本では対円盤用新兵器「R・1号ホシナ」ロケットを発明して怪ロボットを撃滅するという段取り。撮影の合間に、円盤とR1号ロケットのミニチュアを抱いて高島、江畑両スターはご機嫌である。(写真3) [写真]①(水中撮影スナップC) [イラスト]②(怪ロボットのデザイン画) [写真]③(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップA) |
北海道新聞(夕刊) 昭和31年9月26日(水)2面 アクアラングで海中撮影 『地球は狙われている』で初の試み アメリカの空想宇宙科学映画が日本の銀幕をにぎわしている折からこんど日本でも国光映画製作、新東宝配給による『空飛ぶ円盤・地球は狙われている』(監督関沢新一)が製作を開始した。M87星雲から、ロボットの操縦する円盤が地球を襲い、怪光線を発射して地球は壊滅の危機にさらされるが、ある宇宙博士の発明したロケットが、空中戦の結果円盤を撃墜するというのが大体のストーリー。この撮影は、空中撮影と地上におけるふつうの撮影と水中撮影の三つに分れ、まず神奈川県真鶴海岸での水中撮影からクランクが撮影された。こんどの撮影では、フランスの海底記録映画『沈黙の世界』で使われたアクアラング(水中肺)がはじめて用いられた。海面はおだやかでも海底は波のゆれが大きく、また水温も非常に低いので撮影は困難をきわめ、一日がかりでわずか六カットしか撮れない有様だつた。しかし、アクアラングを使っての水中撮影は、特撮プールでの撮影などに比べると非常にリアルな効果をあげているようだ。 [写真](写真はアクアラングをつけて海中に潜るスタッフ)(水中撮影スナップB) |
東京中日新聞 昭和31年9月26日(水)8面 秋の話題 撮影所のオモチャ / 議論百出で生れた『空飛ぶ円盤』 ☆…新東宝スタジオのオモチャが“空飛ぶ円盤”“火星探検用のロケット”など。新東宝の特技部が工夫して完成させたもので「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」(関沢新一監督)という映画に登場する。円盤のスピードは音速の数万倍というから、ちょっと話にもならない話。M87と呼ばれる星から地球へやってきて怪しい光線をピカリピカリ……たちまちのうちにビルがこわれ大地がとけていく。といってもオモチャの円盤は実物の何百分の一で、子供が十分楽しめる大きさ。 材料はあちこちにころがっている木材とベニヤ板。「いともカンタンに出来るのがミソ」と鼻を高くしているが、特技の人にいわせると「このカタチをつくるまでがたいへんでケンケンゴウゴウの議論の結果決定したものだ」そうだ。またロケットも木製で、女優さんが「ちょっとした部屋のアクセサリーになるわ」といっているオモチャである。 [写真]新東宝のオモチャ、円盤㊧とロケット(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップA) |
東京中日新聞 昭和31年9月27日(木)8面 スタジオ・メモ ◇「地球は狙われている」葉山ロケ、国光映画製作。(新東宝配給) |
名古屋タイムズ 昭和31年9月27日(木)4面 芸能 その後の名タイスターレット 映画界で無名の素人から一躍大スターにのし上る幸運な人も少くないが大部屋の下積みから明日のチャンスをねらう群像は想像以上に多い。先に本社が公募して送り出した地元出身の名タイスターレットはどうなっているか。その後の生活をみておこう。(東京発I記者) 悪役も板についた 大張切りでやっています 天知茂 ロケットに乗って昨日宇宙から帰ってきたばかりですよ……。 関沢監督の正月映画「地球は狙われている」で宇宙から飛んできた怪円盤を迎撃するためロケットのパイロットで活躍します。 空想科学映画初登場というわけですが、特殊撮影がずいぶん多く、台本をもらった時から大張切りですよ。(以下略) [写真]天知茂㊤ |
中日スポーツ 昭和31年9月27日(木)4面 怪物の正体は? 空想科学映画の主演者たち 特殊撮影陣の産物 M87星雲の円盤と地球のロケット 新東宝 “こんなオモチャみたいな……とバカにしちゃいけません。これが大へんな威力を発揮するんだから” 高島忠夫がニヤリと笑って持ち上げる不思議な形の円盤、なんと音速の数万倍という速さで、M87星雲から地球目がけて飛んでくるのである。おかげで、地球上はニューヨークもパリも東京も、この怪円盤の放つ光線でたちまち壊滅状態におちいる―――というわけ。 一方、江畑絢子が軽々と抱き上げているのが、この空飛ぶ円盤の怪光線に対抗する武器。数万度の熱にも溶けない特殊金属でつくられた最新のロケットだ。彼女の手にしたのはもちろん木製だが、新東宝の特殊技術陣では、この二つの科学的産物(?)を組み合せ、観客のドギモを抜くような奇抜驚異の情景を展開しようというわけだ。 “でもねえ、誰も経験したことのない「空飛ぶ円盤」の地球攻撃にどんな具合で驚いたり、恐がったりしたらいいのやら私たちは空想で空想科学映画の演技を練らなくちゃならない。頭が痛いですナ”と高島、江畑はしきりに首をひねっている。 [写真]新東宝「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」の円盤と新鋭ロケットを持つ高島㊧と江畑 |
オールスポーツ 昭和31年9月27日(木)4面 空想中の空想演技 大いに悩む高島、江畑 「こんなオモチャみたいなと馬鹿にしちゃいけません。これが大変な威力を発揮するんだから」高島忠夫がニヤリ笑って持ち上げる不思議な形をした円盤は、新東宝が空想科学映画と銘打って製作中の「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」の主役なのである。映画の中ではこの円盤音速の数万倍という速さで、M87星雲から地球を目がけて飛んでくる。地球上はこの円盤の発する怪光線で、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京と大都市がたちまち壊滅状態に陥る。最近世界での不思議の話題“空飛ぶ円盤”が日本映画にも初登場、特殊技術撮影の粋を集めて科学的なる空想を無限にひろげてみようというわけ 江畑絢子が軽々と抱き上げているのが“空飛ぶ円盤”の怪光線に対抗して数万度の熱にも融けない特殊金属でつくられた最新のロケット、彼女の手にしたのはモチロン木製だが、トリックの得意な映画では、この二つの科学的産物を組み合せて、どんな名優でも及びもつかぬ演技を組み立てる。人の空想を越えて、アッといわせる奇抜驚異の情景を次から次にくりひろげるのがこの映画最大のねらい。火花を散らす外交戦で、刻々変化する世界の状態に、それこそ一喜一憂の現代にも、もし“空飛ぶ円盤”が地球攻撃を開始したら…。 「ときには人間も現実的な事ばかり考えてアクセクしている生活から解放されることが必要ですね。頭脳のリクリエーションとして空想科学映画などもってこいのものです。大人も子供にかえって自由奔放の夢の世界に遊んでもらいたい」というのが子供のころから科学が好きだったという関沢新一監督の弁「でもねえ、誰も経験したことのない“空飛ぶ円盤”の地球攻撃に、どんな具合で驚いたり、怖がったりしたらいいのやら、空想の中の空想演技を演らねばならない私たちは頭が痛い」と“円盤・ロケット”とならんで主役を演ずる高島、江畑は首をヒネっている。 |
内外タイムス 昭和31年9月28日(金)5面 空飛ぶ円盤 スクリーンで大暴れ 正体は“木とプラスチック” 〇…最近空飛ぶ円盤の正体がわかり、その攻撃ロケットが糸川博士のカッパーロケットに先がけて完成、円盤と大いにわたりあうことになった。問題の円盤はM87星雲から飛来したもので、ニューヨーク、ロンドンをおそい、こんど日本攻撃を目的に漸次接近しつつある。これに備えて特殊技術陣は昼夜をぶっ通しでR一号高性能ロケットをこのほど完成、あとは円盤との一騎打を待つばかり……といってもこれはいま新東宝配給で国光映画が製作中の『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』のお話。 〇…だからこの円盤とロケット、画面では恐怖の新兵器だが、主演の高島忠夫、江畑絢子の二人に軽々ともてるという代物で、ふたりに『これじゃ恐怖の感じがでないわ』となめられる始末だ。この話題の物体の材料の種をあかせば、木のクリヌキにプラスチックを塗り、それに銀プンを吹っかけたものだから軽いのはあたり前、しかしこれが一度スクリーンに映った場面はバカでかくなり、放送塔、はては暴力の殿堂国会議事堂をぶっつぶすといった大あばれ方をするのだから痛快この上ない。しかしこの特殊撮影は写真のように木の鉄塔の模型をつくり、円盤は上からピアノ線でつるし、カメラの前にはガラスをはって雲は綿といった膳立てで、また火を吹く円盤とロケットの種は小さいボンベにタンサンソーダの固体を入れて感じをだすわけだから、映画とは便利なものである。 〇…この映画には更にロボットも出演するといったにぎやかなものだが、このロボットは関根新一監督の考案したもの。同監督は大の空想科学マニヤで『この題材は二年前から考えていたもので、決してあちらさんのマネをしたものではありません。頭の上についているのが触角で、顔なんかなかなか愛敬があるでしょう』と鼻をひくつかせている。 〇…しかもこのロボット君、高島江畑のラブシーンにわりこんで来るといった不粋ものだが、江畑は『歩き方がよちよちと赤ん坊みたいなので可愛いわよ』というわけで大いに女性に好かれそうな幸運児でもある。 [写真]空飛ぶ円盤とロケツトの一騎打 木にみえないのがミソ(エッフェル塔をはさんで対峙する円盤とR1号) [写真]空飛ぶ円盤とロケットを持つ高島忠夫と江畑絢子(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップA) [イラスト]新東宝ご自満のロボット(怪ロボットのデザイン画) [写真]これがスクリーンに現われるとテレビ塔がひん曲るほどの大暴れとなるんだからね(テレビ塔に留まる円盤の撮影スナップA) |
西日本スポーツ 昭和31年9月28日(金)4面 東京壊滅す 新東宝の空想科学映画『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』 去る九月七日の火星接近の前後から謎の“空飛ぶ円盤”をめぐって、いまや空前の宇宙ブームをかもし出したが、我が国でも『日本空飛ぶ円盤研究会』によせられた目撃談はすでに相当な数にのぼり、中でも徳川夢声氏は“空飛ぶ四角形”を見たそうだし、森田たま女史も昨年の秋に実見記を書いている。 アメリカ映画でも、最近『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』が封切られて反響をよんだが、こんどは問題の“空飛ぶ円盤”が邦画にも登場することになった。 新東宝が空想科学映画と銘打って目下製作中の『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』(脚本監督関沢新一)がそれで、映画の中ではこの円盤、音速の数万倍というスピードで、M87星雲から地球を目がけて飛んでくる。地球はこの円盤の発する怪光線で、東京をはじめ、ニューヨーク、ロンドン、パリなどの大都会がたちまち壊滅状態におちいるが、宇宙博士の発見になるR一号高性能ロケットとの間に一大科学戦を展開するというストーリー。 “空飛ぶ円盤”“怪ロボット”“R一号ロケット”など人の空想をこえて、アッといわせる奇抜、驚異の情景をつぎからつぎに特殊技術撮影を駆使してお目にかけようというのがこの映画のねらいである。(写真㊤はテレビ塔を㊦は国会議事堂を破壊する空飛ぶ円盤) [写真](テレビ塔に激突する円盤とそれを見上げる二人のスチル) [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
新大阪 昭和31年9月29日(土)2面 高島、江畑も首ひねる 新東宝 空想映画「空飛ぶ円盤」 こんなオモチャみたいなと馬鹿にしちやいけません。これが大変な威力を発揮するんだから……と高島忠男が持ちあげているのは空飛ぶ円盤。となりで江畑絢子が軽々と抱きあげているのは空飛ぶ円盤の怪光線に対抗して数万度の熱にも融けない特殊金属で作られたロケット、といっても実は木製の模型。この二つを特殊撮影で縦横に駆使して科学的な空想を無限にくりひろげようとするのが新東宝で制作中の「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」である。 「ときには人間も現実的なことばかり考えてアクセクしている生活から解放されることが必要ですね、頭脳のリクリエーションとして空想映画などもってこいのものです。大人も子供にかえって自由奔放な夢の世界に遊んでもらいたい」というのが関沢新一監督の弁。 「でもねえ、誰も経験したことのない空飛ぶ円盤の地球攻撃にどんな具合に驚いたり怖がったりしたらいいのやら、演技の方も空想で演らねばならない。私たちは頭が痛い」と主役を演じる高島、江原のご両人が首をひねっていた。 [写真]高島忠夫㊧と江畑絢子(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップA) |
サンケイスポーツ 昭和31年9月29日(土)4面 邦画の空想科学映画 『ラドン』と『空飛ぶ円盤』 空想科学映画は東宝の「ゴジラ」など、日本映画の一つのジャンルとして独自の存在を持つようになったが、この秋に東宝から「ラドン」新東宝から「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の二本が登場、洋画のむこうを張ることになった。 (中略) 新東宝の「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」はM87星雲から飛んできたと推測される空飛ぶ円盤が怪光線により地球を襲撃、宇宙博士の博明になる高性能R一号ロケットとの間に一大科学攻防戦を展開、結局円盤は宇宙の彼方で潰滅するという話でコロムビアの「空飛ぶ円盤」に酷似しているが、監督はこの方面に知識の深いという新人関沢新一。 こちらに登場する怪人物の花形はロボットで、これは身のたけ六尺九寸、昆虫のごとき風ぼうを持ち額の部分からは怪光線を発し、目にはシャッターが仕かけてあり、ものを感じたり表現したりする時はこのシャッターがカチャカチャと開閉する仕掛だそうだ。両作品とも自衛隊が怪物撃退に一役買うことになっている。 |
映画技術 №62(社団法人日本映画技術協会 昭和31年9月30日発行) 日本映画 撮影所の動き 新東宝撮影所では現在国光映画製作新東宝配給による「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」が第二撮影所で進行している。本誌にそのスナップを掲載した通り合成撮影あり,水中撮影あり,水槽撮影あり,各種のミニチュア撮影ありで特撮課の上村貞夫技師を始め技術課全員が大わらわの活躍をしている。 最近糸川博士等の研究になるカッパー・ロケットの試作も成功し新聞紙上の話題となつているが,新東宝大映,東宝と各社がロケット,或いは宇宙人を主題とした映画の製作,又は企画を樹てている。 本作で出現するロケットは木製のクリヌキにプラスチックと銀粉をかけたもの。 噴出させるロケットの火は小型ボンベに炭酸曹達の固体を入れ気化させる。ロボットは中に人間が入って活躍する式のもの。 上村技師の特殊撮影に期待をかけたい。 [写真]左上は新東宝撮影所で製作中の「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」特殊合成撮影のスナップ。新東宝久方ぶりの科学空想映画の事とて特撮の上村貞夫技師始め各技術陣は大張切りで製作に当つている。製作担当は国光映画KK,特撮その他の主要スタフは全部新東宝側が担当する。映画の内容はMGF星雲から飛来する円盤が怪光線により地球を襲撃する。これに対抗する地球の科学陣はR1号高性能ロケットを製作し一大決戦を展開する。特殊撮影は特殊美術と協力し「空飛ぶ円盤」「怪ロボット」「R1号ロケット」等のミニアチュア,実物大等の製作並びに撮影に大童であり,撮影面では空,陸,水中と三段がまえで、初の水中撮影(アクア・ラング使用)が行われた。スナップはテレビ塔に近接する空飛ぶ円盤を雲を通して撮影する特殊撮影の上村技師。カメラはハイスピード・カメラを使用し,合成板はプラスティックの大型の板が使用されている。円盤は勿論ハンギング・ミニアチュア。 [写真]左下はアクア・ラングを着用した特撮陣が海中撮影を行つているスナップ。海中より上ろうとして舟べりにいるのは特撮の上村技師。水中プリンプに格納されたカメラが前面につり上げられている。プリンプの内部はアイモ。ロケーション地は神奈川県真鶴。(水中撮影スナップA) [写真]下はアクア・ラングを装備し水中カメラを抱いてまさに潜水せんとする上村技師。(水中撮影スナップC) [写真]下は新東宝作品「空飛ぶ円盤」第二撮影所における水槽撮影のスナップ。ロケットR1号の発進状況を撮影中のところ。 [写真]左上は新東宝配給作品国光映画製作の「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」ロボット出現のシーン撮影中のスナップ。昆虫様のコスチュームで愛嬌のある怪ロボットが活躍する。本篇撮影は黒田武一郎技師の担当。 |
朝日新聞ジュニア版 昭和31年9月30日(日)3面 空飛ぶ円盤 映画では大はやり まだわからない正体 外国映画の「空飛ぶ円盤地球を襲撃する」「禁断の惑星」などが評判がよかったので、新東宝では「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の撮影をはじめた。 この映画の円盤は、ミッチェ87星雲から飛んで来て、地球を襲撃する。ニューヨーク、ロンドン、ホンコンも大きな被害があって、東京も襲おうとしている。円盤にはロボットが乗っていて、怪光線を出す。この怪光線でジェット機は、瞬時に姿が消え、議事堂やテレビ塔も破壊される。さいごに一人の科学者が、怪光線にもとけない特殊金属で、ロケットとXQ破壊砲を作って、やっと円盤を破壊するというすじ。 円盤は直径五十メートルという大きなものだが、実は模型は、直径三メートル、一メートル、五十センチの三種類。このほかロボットは中に人間が入れるほどで二メートル。上半身はこん虫のようになっていて、目から怪光線が発射できる。 いちばんのみものは最後に円盤が破壊されるシーンで、原爆雲を十字に出すのに零下二百度の液体酸素をはじめて使用する。 水中のシーンでは、七日神奈川県の真鶴海岸で深さ五、六メートル海中でのアクアラング(潜水具の一種)を使って撮影した。撮影日数は五十日ばかりで、封切は十一月の中旬の予定である。 [写真]映画に使われる円盤(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップB) [写真]映画の撮影はこんなぐあいに(テレビ塔に留まる円盤の撮影スナップA) [写真]議事堂に円盤がぶつかったシーン(国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
CINEMA TIMES 映画時報 昭和31年10月号(合同通信社、昭和31年10月1日発行) 新作案内 邦画 新東宝 現在企画されている作品次のとおり(中略)「地球は狙われている」監督関沢新一 主演高島忠夫 |
別冊読切傑作集 二十三集(双葉社、昭和31年10月1日発行)p323 新東宝映画化決定! 空想科学冒険大活劇小説 ―空飛ぶ円盤― 地球は狙われている 宮下幻一郎 地球危し!正義感起つて宇宙人と戦うか?怪奇と科学のスリルに充ちた雄渾大力作! |
スポーツニッポン(大阪版) 昭和31年10月1日(月)6面 日活でも空想科学映画 「空飛ぶ円盤・地球を襲撃す」「禁断の惑星」(以上米映画)「空飛ぶ円盤・地球は狙われている」(新東宝)など、最近天体ブームにのつた空想科学映画が目立つているが、日活でも空飛ぶ円盤の登場する「怪人ラプラスの襲撃」(柳沢類寿原案)を企画している(以下略) |
国際新聞 昭和31年10月4日(木)4面 頭が痛い空想演技 高島・江畑の悩み深し ★…「こんなオモチャみたいなと馬鹿にしちやいけません。これが大変な威力を発揮するんだから」高島忠夫がニヤリ笑つて持ち上げる不思議な形をした円盤は、新東宝が空想科学映画と銘打つて製作中の「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」の主役なのである。映画の中ではこの円盤、音速の数万倍という速さでM87星雲から地球を目がけて飛んでくる。地球上はこの円盤の発する怪光線でニューヨーク、ロンドン、パリ、東京と大都市がたちまち壊滅状態……。最近世界での不思議の話題“空飛ぶ円盤”が日本映画にも初登場というわけ。 ★…江畑絢子が軽々と抱き上げているのが“空飛ぶ円盤”の怪光線に対抗して、数万度の熱にも溶けない特殊金属でつくられた最新のロケット、彼女の手にしたのはモチロン木製だが、トリックの得意な映画では、この二つの科学的産物を組み合せて、どんな名優でも及びもつかぬ演技を組み立てる。人の空想を越えて、アッといわせる奇抜驚異の情景を次から次にくりひろげるのがこの映画最大のねらい。 ★…「ときには、人間も現実的なことばかり考えて、アクセクしている生活から解放されることが必要ですね。頭脳のレクリエーションとして空想科学映画などもつてこいのものです。大人も子供にかえつて自由奔放の夢の世界に遊んでもらいたい」というのが子供のころから科学が好きだつたという関沢新一監督の弁。「でもねえ、誰も経験したことのない“空飛ぶ円盤”の地球攻撃に、どんな具合で驚いたりこわがつたりしたらいいのやら、空想の中の空想演技をやらねばならない私たちは、頭が痛い」と“円盤・ロケット”とならんで主役を演ずる高島、江畑は首をヒネつている。 [写真]=写真はロケットを抱える江畑絢子と円盤を持ち上げる高島忠夫(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップA) |
東京中日新聞 昭和31年10月4日(木)8面 邦画各社で“空想科学”合戦 / 有名デパートもコナゴナに 新東宝 「恐怖の襲撃」は主役が国籍不明の“空飛ぶ円盤”でニューヨーク、ロンドン、香港を暴れまわり東京へやってくるという筋。円盤から発射される怪光線のエネルギーは地球上に存在しない物質、ジェット機もコナゴナになってしまうし議事堂、有名デパート、官庁も怪光線ですべて破壊される。円盤のほかロボットやロケットが出てくる。東宝の「ラドン」同様に合成トリックでスリルとサスペンスを盛る。関沢新一監督がチエをしぼっている最中。 [写真]㊧が新東宝「恐怖の襲撃」(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル)
スタジオ・メモ |
大阪日日新聞 昭和31年10月5日(金)2面 空飛ぶ円盤対怪獸 今秋、二つの空想科学映画 東宝 新東宝 特殊撮影くらべ 今秋のスクリーンに登場する二つの空想化学映画、空飛ぶゴジラといわれる東宝の怪獣「ラドン」ともう一つは新東宝の「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」である。「ゴジラ」は海中から現われて地上で大暴れしたが「ラドン」は空から現われた「ゴジラ」と思えばいい。新東宝の「空飛ぶ円盤」は東宝の「ラドン」とならんで同じゲテもの映画ながら、その製作に科学的な裏付けをして、その科学性と恐怖性に迫力を持たすというもので新東宝ご自慢の特殊製作に物言わせ、あッといわせようというネラいである。同じ東宝も「ゴジラ」以来特殊製作には自信満々でいずれにガイ歌があがるか興味がある。 「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」は日本最初の純粋空想科学映画と称するものでM87星雲から飛来した空飛ぶ円盤が怪光線で地球を襲撃、これに対して地球側ではR一号高性能ロケットで一大科学攻防戦を演じるという話だ。監督関沢新一。 [写真]=写真は「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の一場面(円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) |
週刊映畫プレス 昭和31年10月6日(土)9面(全国映画館新聞社) 邦画製作現況 新東宝 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 =宇宙ブームに応えて邦画では初めてと号して製作する純粋空想科学映画、M87星雲から飛来したと推測される円盤が地球を襲撃、宇宙博士の発明したR一号高性能ロケツトとの科学攻防戦を展開するもの 特殊撮影、特殊美術が期待されている、国光映画製作、新東宝配給、脚本監督は関沢新一、特殊技術には新東宝特殊技術部が動員されている。 キャスト 林正夫(高島忠夫) 保科薫(江畑絢子) 大槻博士(坪井哲) 大杉助手(天知茂) 黒井博士(増田順)【11・14】 |
北海道新聞(夕刊) 昭和31年10月7日(日)2面 怪ロボット“ダレス”登場 新東宝『恐怖の襲撃』 ○…新東宝では宇宙ブームの波に乗って『空飛ぶ円盤・怪怖の襲撃』を、関沢新一監督のメガホンで製作中だが、この作品には“ダレス”なる怪ロボットが登場、話題となっている。このロボットはM87星雲から飛来、地球を襲撃する空飛ぶ円盤から快電波によって誘導され、人間に危害を加えるというわけ。 ○…従来、内外を問わず、空想科学映画にはロボットが多く登場しているが、いずれも人間臭が強いところから、こんどは天体マニアの関沢監督の発案で、昆虫状のロボットが出来あがった。これは人間が中に入り操作するもので、金網で作った骨組みにプラスティックで肉付けし上から銀粉をぬり、さらに銀粉は水に入っても落ちないよう熱処理を加えてある。その頭部は昆虫そのもの、眼は複眼でカメラのシャッターのようになっている。意志を表現するときはこれが開閉するという仕掛け。さらに頭の上には電探の触角がついていて、モーターで回転するという凝ったもの。 (江畑絢子を襲う怪ロボット“ダレス”) [写真](ロボットに片腕を掴まれる薫のスチル) |
西日本スポーツ 昭和31年10月7日(日)4面 宇宙に無限の夢をおう 空想科学映画を語る関沢監督 “徹底的におもしろく 現実にはとらわれぬ” 世界を刻一刻と締め上げる原水爆から逃れるかのように、人びとの興味は宇宙の無限のひろがりに空想をはせて、新しい次元の世界を求めようとしている。その空想の所産が最近流行の科学映画だ。洋画『禁断の惑星』がこの興味に投じてヒットすると、日本映画も空想世界に新しい分野を求めて、新東宝では『空飛ぶ円盤・地球を襲撃す』の製作に着手した。『科学映画に人間の夢を……』と意欲を燃やす関沢新一監督に『これからの映画』についての抱負をきいてみた。
◇……九月七日の火星大接近では“宇宙”に対する関心は意外なほど高まったようです。だれでも子供のころは、住んでいる地球がポッカリ宙に浮いて、大きな地球の何億倍もある宇宙のひろがりに好奇心をあおり立てられるものですが、近ごろでは大人たちの方が熱中しているようですね。月世界旅行協会の手で五十万円で何万坪もの月の土地を買ってみたり、人間もなかなかユーモアに富んで来たものです。これはもう数年前から目撃者が騒ぎ立てている例の“空飛ぶ円盤”で地球外への実際的な関心が高まって来たことも一つの原因ですが、何よりだれしも“二つの世界”とか“原水爆による未来戦”とか、住みにくい地球にあきあきして来た人間の心理が大きく影響し、地球のことを超越してしまうような宇宙に目を向ける気持になって来たんでしょう。 |
毎日小学生新聞 昭和31年10月7日(日)3面 新しい映画 東京をおそう空とぶ円盤 多くなった空想科学映画 空とぶ円盤 恐怖の襲撃 このごろは、宇宙旅行協会(うちゅう・りょこう・きょうかい)などもできて、地球いがいの星や月の世界旅行などが、たくさんのお友だちの心をひきつけています。なかでも“空とぶ円盤”は、大きなナゾになっています。映画でも、このごろは映画をとる技術が、うまくなったので、空想(くうそう)科学映画がたくさんあらわれています。一九五〇年の朝鮮戦争からアメリカでも、大きな流行(りゅうこう)になり、前にもおしらせした“宇宙征服(うちゅうせいふく)”“禁断(きんだん)の惑星(わくせい)”などが、つくられました。むかしは科学映画といえば、ドイツだったのですが、いまでは日本でもつくられるようになりました。 この“空とぶ円盤”は、新東宝がいまつくっている映画ですが、東京の上空にも、テレビ塔の上にも、“空とぶ円盤”があらわれます。東京に住む人たちは、びっくりして、大さわぎになります。 この円盤は、日本の保科博士の発明したロケットをよこせというのです。円盤とロケットのたたかい、円盤からきたロボット、こうしたスリルにとむ物語ですが、この映画はしゃしんのような模型によって、さつえいしたり、いろいろなトリックが使われて、みなさんをびっくりさせるような映画につくられています。(新東宝) [写真]ビルディングの町におそいかかる“空とぶ円盤”(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) [写真]“空とぶ円盤”も映画にうつすときは、こんな模型が使われます(テレビ塔に留まる円盤の撮影スナップA) [写真]国会をおそう空想科学映画の“空とぶ円盤”のひとこま(国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
オールスポーツ 昭和31年10月8日(月)6面 ロボット“ダレス”出現! 新東宝「恐怖の襲撃」の話題 新東宝では宇宙ブームの波にのって「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」を関沢新一監督のメガホンで製作中だが、この作品には“ダレス”なる怪ロボットが登場話題となっている。このロボットはM87星雲から飛来、地球を襲撃する空飛ぶ円盤から怪電波によって誘導され人間に危害を加えるというわけ。従来内外を問わず空想科学映画にはロボットが多く登場しているがいずれも人間臭が強いところから、今度は天体マニアの関沢監督の発案で昆虫状のロボットが出来あがった。これは人間が中に入って操作するもので、金網で作った骨組みにプラスティックで肉付け上から銀粉をぬり、さらに銀粉は水に入っても落ちないように熱処理を加えてある。五尺九寸の演技部の俳優さんが入るのでこれに合せて全長六尺九寸に作られ、その頭部は昆虫そのもので、眼は複眼でカメラのシャッターのようになっている。意志を表現するときはこれが開閉するという仕掛。さらに頭の上には電探の触角がついていて、モーターで回転するという凝ったもの。このロボットは最初テレビ塔上にとまった円盤から出現、自衛隊の総攻撃をものともせず暴れ回るほか、宇宙科学の権威保科博士(杉寛)の部屋、海岸で逢引きする高島忠夫と江畑絢子の前などに現われて横暴の限りをつくすわけ。このほど行われた伊豆静浦ロケで、この気味の悪い怪物に抱きすくめられた江畑などは芝居も忘れて悲鳴をあげるというもっぱら憎まれ役を買って出ている。 |
夕刊京都 昭和31年10月9日(火)4面 怪ロボット出現 昆虫状の複眼や触角 「恐怖の襲撃」撮影の話題 新東宝では宇宙ブームの波にのって「空飛ぶ円盤・怪怖の襲撃」を関沢新一監督のメガホンで製作中だが、この作品には“ダレス”なる怪ロボットが登場話題となっている。このロボットはM87星雲から飛来、地球を襲撃する空飛ぶ円盤から快電波によって誘導され人間に危害を加えるというわけ。 従来内外を問わず空想科学映画にはロボットが多く登場しているがいずれも人間臭が強いところから今度は天体マニアの関沢監督の発案で昆虫状のロボットが出来あがった、これは人間が中に入って操作するもので、金網で作った骨組みにプラスティックで肉付け、上から銀粉をぬりさらに銀粉は水に入っても落ちないように熱処理を加えてある、五尺九寸の演技部の俳優さんが入るのでこれに合せて全長六尺九寸に作られ、その頭部は昆虫そのもので、眼は複眼でキャメラのシャッターのようになっている。意志を表現するときはこれが開閉するという仕掛、さらに頭の上には電探の触角がついていて、モーターで回転するという凝ったもの。 このロボットは最初テレビ塔上にとまった円盤から出現、自衛隊の猛攻撃をものともせず暴れ回るほか、宇宙科学の権威保科博士(杉寛)の部屋、海岸で逢引きする高島忠夫と江畑絢子の前などに現われて横暴の限りをつくすわけ、このほど行われた伊豆静浦ロケで、この気味の悪い怪物に抱きすくめられた江畑などは芝居も忘れて悲鳴をあげるというもっぱら憎まれ役を買って出ている。 [写真]江畑絢子を襲う怪ロボット“ダレス”(ロボットに片腕を掴まれる薫のスチル) |
夕刊フクニチ 昭和31年10月9日(火)4面 映画と芸能 特殊効果にかなりの期待 宇宙ブームにのった空想科学もの
☆…さる九月七日の火星大接近の前後から、宇宙への関心が急に高まってきた折も折、久留米を始め各地で“空飛ぶ円盤”を目撃したニュースが乱れ飛び、科学報道陣をわきたたせているが、この宗宙ブームに着眼して、国光映画が企画、製作、新東宝の手で配給される空想科学映画がこの一編。長らく清水宏のチーム助監督をつとめ、宇宙科学マニアとして知られている関沢新一が監督昇進第一作として演出を担当し、脚本も同監督の書きおろし。 ☆…M87星雲から飛来したと推測される空飛ぶ円盤がニューヨーク、ロンドン、香港の各地とかすめて東京上空に姿をあらわし、非常に強烈な破壊光線を発射する。科学陣必死の研究で、その怪光線は地球上に存在しない反陽子から構成されており、これに耐えうる高性能の特殊金属の完成も目前に迫っていることがわかる―といった想定。最後は円盤攻撃の新兵器として登場したR1号ロケットと円盤との空中戦が展開されR1号から発射したYQ陽子破壊砲の威力でさすがの円盤も遂に破滅する ☆…人よりも仮空怪物が活躍する空想科学ものなので出演スターの顔ぶれは寂しい新聞記者に高島忠夫、その恋人で科学者の秘書に江畑絢子が出ているほか、科学者に杉寛、増田順二、坪井哲などが名をつらねている程度、特殊撮影には技術陣が全力をあげて参加しているので、ミニチュアや合成などの効果にはかなりの期待がもてそうだ [写真]=写真は東京の都心を襲う空飛ぶ円盤(国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
新大阪 昭和31年10月9日(火)2面 映画にもっと夢を 空想ものに“反逆の喜び” 監督は考える 関沢監督 世界を刻一刻と締め上げる原水爆の恐怖から逃れるかのように、人びとの興味は宇宙の無限のひろがりに空想をはせて、新しい次元の世界を求めようとしている。その空想の所産が最近流行の科学映画だ。洋画「禁断の惑星」がこの興味に投じてヒットすると、日本映画も空想世界に新しい分野を求めて、新東宝では「空飛ぶ円盤・地球を襲撃す」の製作に着手した。「科学映画に人間の夢を…」と意欲を燃やす関沢新一監督に「これからの映画」についての抱負をきいてみた。 ☆…徳川夢声さんは“空飛ぶ四角形”を見たといっておられるし、随筆家の森田たま女史も一年まえ“空飛ぶ円盤”の実見記を書いておられます。こんどの「空飛ぶ円盤・地球を襲撃す」というのは数年まえからぼくの頭の中で空想して来たものですが、映画の扱う題材もときにはこうした人間ばなれ地球ばなれした物語と申しましょうか、ひどく現実から飛躍したお話も、頭脳のレクリエーションとしては、必要なのじゃないかと考えています。がっちり現実と四つに組んだリアリズム映画も人類進歩のために必要でしょうが、ぼくは子供のころ好奇心にかられて夢中になった空想科学の世界に、映画は人間の夢をもっと奏でていいと思います。実に魅力的な世界ですね。 ☆…フランス映画の「オルフェ」「美女と野獣」に示されたジャン・コクトオのファンタジー、ジャン・ドラノア「賭はなされた」あの一連の作品は、現実生活の問題を幻想の中に持ち込んで、未解決というより生ぐさい人間ではいつまで経っても解決しようのない問題に一つの解決を与えてみるという試みがされております。その狙いが的を見事射抜いたかどうかは別として、案外空想科学映画など、現実の中に身うごきならなくなった人間に、新しい目ざめを起す刺激を与えるのではないだろうかと思うのですが、贔屓の引き倒しかも知れませんね。 ☆…「お前と話してると年を疑いたくなるよ」と永い間一緒に仕事をしてきた清水宏監督にいわれたものですが、日常生活にとらわれすぎている映画は、モタモタして退屈じゃありませんか。一見荒唐無稽かも知れませんが、空想の世界で、現実をいろいろ組み立てなおしてみることは人間の夢を充足する意味で、メロドラマやチャンバラ映画よりも数倍面白いと思います。この意味でこんどは“徹底的に面白く”ということを主眼として製作しています。科学的真実にとらわれることなく、といって空想の世界には真実は立証されるべくもありませんがね。 ☆…この映画に出てくるロボットのデザインも、現代の科学常識に納得出来る配慮をしております。どうも宇宙を人間は地球の物差しで測りがちですが、空想も、鳥のように飛びたい気持から飛行機が生れたように、すべて人類進歩の原動力である_思えば、これから“空想科学映画”が次から次へと生れることは、それだけ人間の進歩が促進されるのだといって間違いありませんよ。 [写真]㊤は空想の宇宙人と握手する関沢監督(浜辺で怪ロボットと握手する関沢監督のスナップ写真) [写真]㊦「空飛ぶ円盤…」の一シーン(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
スポーツニッポン 昭和31年10月9日(火)6面 怪ロボットの出現 大はやりの空想科学映画 メトロ映画『禁断の惑星』がロードショーで好調だったためか、最近再び日本でも空想科学映画ブームが到来しそうだ。東宝が『ゴジラ』につづいて『ラドン』なる新怪獣を発見? したが、新東宝も負けじと考案したのが “空飛ぶ円盤”それに“怪ロボット”という奇テレツな怪物。 話のスジはM87星雲から飛んできた円盤が、怪光線で地球を征服しようとするのを、日本人の考え出したR1号ロケットがXQ陽子破壊砲で粉砕するというもの。R1号とは怪光線にもへっちゃらな特殊製鋼でつくられており、ラストは円盤を宇宙の果に追撃して撃墜するという都合のいい話だが、監督の関沢新一は長年清水宏の助監督をつとめながらも宇宙マニアとして有名だったひと。脚本も自分で書いたオリジナルで、特殊撮影を駆使しながら、ハリキッて仕事にうち込んでいるから、封切の十一月の銀幕には『ゴジラ』『宇宙人東京に現る』以来、久方ぶりに空想怪奇映画が雌雄を決することになりそうだ。 [写真](浜辺でロボットに腰を掴まれる江畑女史のスチル) |
東京中日新聞 昭和31年10月10日(水)8面 スタジオ・メモ 国光映画 ◇「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」セット。(新東宝配給) |
中部日本新聞 昭和31年10月10日(水)夕刊4面 こんどは空想科学映画 トリックとカラーで 『ラドン』や『空飛ぶ円盤』 三年ほど前、アメリカの空想科学映画に刺激されて、日本映画でも「ゴジラ」など一連の空想科学ものが、こんどはさらに本格化して、ことしの秋から年末にかけて五本も出ようという盛況。いま製作中のものは「空の大怪獣・ラドン」(東宝)と「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」(新東宝)の二本だがさらに日活では「怪人ラプラスの襲撃」松竹では「八頭獣」大映では“空飛ぶ円盤”式のものを準備している。(中略) 「恐怖の襲撃」は“空飛ぶ円盤”が東京に現われ、ロボットやロケットもこれにしたがって東京中の建築物を破壊してしまう。この円盤からは怪光線が発射され、どんなものでもこなごなにくだいてしまう。 [写真]「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」の一シーン(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
キネマ旬報 №157 1956秋の特別号(キネマ旬報社、昭和31年10月1日発行)p142 撮影進捗状況 9月3日現在 新東宝
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東京中日新聞 昭和31年10月11日(木)8面 スタジオ・メモ ◇「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」葉山ロケ。(国光映画製作) |
大阪日日新聞 昭和31年10月13日(土)4面 邦画に空想科学映画時代 各社競って企画 松竹 リアルなサスペンス狙う 東宝が「ゴジラ」「獣人雪男」大映「宇宙人東京に現わる」など日本映画界でも空想科学映画が昨年から今年にかけて製作され意外な反響を持ったので、東宝は「怪獣ラドン」新東宝が「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」などを製作、早くも一つの流行を生もうとしている。(以下略) |
サンデー映画 昭和31年10月14日号 6面(サンデー映画社) 邦画に“空飛ぶ円盤”登場 空想中の空想演技 高島忠夫 江畑絢子 大いに悩む ○……「こんなオモチャみたいなと馬鹿にしちやいけません。これが大へんな威力を発揮するんだから」高島忠夫がニヤリ笑つて、持ち上げる不思議な形をした円盤は新東宝が空想科学映画と銘打つて製作中の「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」の主役なのである。映画の中ではこの円盤音速の数万倍という速さで、M87星雲から地球を目がけて飛んでくる。地球上はこの円盤の発する怪光線で、ニユーヨーク、ロンドン、パリ、東京と大都市がたちまち壊滅状態……、最近世界での不思議の話題“空飛ぶ円盤”が日本映画にも初登場、特殊技術撮影の粋をあつめて、科学的なる空想を無限にひるげてみようというわけ。 ☆……江畑絢子が軽々と抱き上げているのが、“空飛ぶ円盤”の怪光線に対抗して数万度の熱にも融けない特殊金属でつくられた最近のロケツト、彼女の手にしたのはモチロン木製だが、トリツクの得意な映画では、この二つの科学的産物を組み合せて、どんな名優でも及びもつかぬ演技を組み立てる人の空想を超えて、アツといわせる奇抜驚異の情景を、次から次にくりひろげるのがこの映画最大の狙い。火花を散らす外交戦で、刻刻変化する世界の状態に、それこそ一喜一憂の現代にも、若し“空飛ぶ円盤”が地球攻撃を開始したら…… ○…「ときには、人間も現実的なことばかと考えて、エクセクしている生活から解放されることが必要ですね。頭脳のリクリエーシヨンとして空想科学映画などもつてこいのものです。大人も子供にかえつて自由奔放の夢の世界に遊んでもらいたい」というのが子供の頃から科学が好きだつたという関沢新一監督の弁、「でもねえ、誰も経験したことのない“空飛ぶ円盤”の地球攻撃に、どんな具合で驚いたり、怖がつたりしたらいいのやら。空想の中の空想演技を演らねばならない私たちは、頭が痛い」と二人は語つた。 [写真]ロケツトを抱える江畑絢子と円盤を持ち上げる高島忠夫(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップA) |
キネマ旬報 №158 1956十月下旬号(キネマ旬報社、昭和31年10月15日発行)p118 撮影進捗状況 9月21日現在 新東宝
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東京中日新聞 昭和31年10月17日(水)8面 スタジオ・メモ 国光映画 ◇「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」編集二十九日完成。 |
東京中日新聞 昭和31年10月18日(木)8面 スタジオ・メモ ◇「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」編集中。(国光映画製作) |
週刊娯楽よみうり 昭和31年10月19日号(読売新聞社) スタジオ拝見 二つの空想科学映画 このところ邦画各社では太陽ものから戦記ものの製作に移りつつあるようだが、空想科学映画といわれる作品も、東宝と新東宝で鋭意撮影中で、また大映、日活でも「空飛ぶ円盤」を企画中。この種の映画は、特殊技術陣の活躍に待つところが大きく、見どころもストーリーより、もっぽらこの特撮にある。(中略) 新東宝は、空飛ぶ円盤をテーマにしたもの(脚本、監督関沢新一)。空飛ぶ円盤が怪光線を放ちながら地球を襲撃、宇宙博士の発明による高性能ロケットとの間に一大科学攻防戦が展開される。特撮には上村貞夫技師、特撮美術に西谷重次が当る。 [写真]円盤の怪光線で誘導されるロボット。身長は6尺5寸、中には大男が入ってモソモソ動く。左から主演の江畑、高島。(浜辺でロボットに首を掴まれる高島氏と江畑女史のスチル) [写真]東京駅上空に現われた空飛ぶ円盤は、白球体から怪光線を発射、重要地点はみるみる破壊されてしまう。(円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) |
西日本スポーツ 昭和31年10月19日(金)4面 邦画にも“空想科学”戦 合成トリックを駆使 盛りあげるスリルとサスペンス 火星接近や『禁断の惑星』などハリウッドの空想科学映画の影響からこのところ日本映画でも東宝『空の大怪獣・ラドン』新東宝『空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃』など英知?をしぼった空想科学映画の完成を急いでいるが、大映、日活二社でもこれを追っかけて『空飛ぶ円盤』の企画を発表、このところ年末までにはスクリーンで“空想科学もの”の戦いがくりひろげられる見通しだ。 (中略) 新東宝 『空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃』(関沢新一監督)は国籍不明の“空飛ぶ円盤”がニューヨーク、ロンドン、香港を暴れまわったのち東京を襲うという筋。宇宙科学マニアといわれる関沢監督の脚本で空中撮影のほかアクア・ラング使用の海中撮影も行う。 円盤のほかコン虫めいたロボットやロケットも登場。円盤が発射する怪光線のエネルギーは地球上に存在しない物質で、ジェット機もコナゴナになってしまうし議事堂有名デパート、官庁も怪光線ですべて破壊される。 東宝の『ラドン』と同じく合成トリックでスリルとサスペンスを盛上げる。十一月中旬封切。 大映 題名は未定だが『宇宙人東京に現わる』につづく空想科学映画のシリーズを製作することになった。 『禁断の惑星』式のもので“東宝は地球上の空想だがウチは地球をはなれた広大な未知の空間をバックにしたもので、科学者の意見にもとづいてストーリーを書く”といっている。イーストマン・カラー。 日活 『怪人ラプラスの襲撃』で“空飛ぶ円盤”が主人公。太陽族、戦争物についでヒットをねらっている作品。日本人と遊星人の戦いがテーマ。 “思い切り奇抜なストーリーを書いてみるつもり。舞台を長野から東京へ移し、サスペンスドラマの要素を織りこむ考えだ。『ゴジラ』いらい空想科学映画の筋がどれも似たようなものになってきたので、新手を編み出す”とはシナリオの柳沢類寿の抱負。コニカラー使用の見込み。 [写真]新東宝『空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃』に現われる昆虫型をした怪ロボット(浜辺で寄り添う二人と怪ロボットのスチル) |
山陽新聞 昭和31年10月20日(土)3面 競う「特殊撮影」映画 ラドン、円盤など登場 五百坪の破壞シーンの模型も 「空飛ぶ円盤地球を襲撃す」「禁断の惑星」など洋画の空想科学映画が当りをとり、日本映画でも日仏合作「忘れえぬ慕情」や「白夫人の妖恋」での特殊撮影の成功によって、日本映画界にも特殊撮影への関心が強まってきており、東宝、新東宝、日活などがくつわをならべて空想科学映画や戦争もので外国映画技術の水準におくれをとるまいと懸命な努力をつづけている。 (略) 〇…新東宝では清水宏のチーフ助監の新人監督、関沢新一がかねて趣味として考えていた空想科学もの「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」をいよいよ実現することになった。 外国映画の「円盤」とちがうところは、超エネルギーの怪光線を円盤の中央から放射するのではなく五本のみぞから出すようにして迫力をましている。円盤は地球人のロケット引渡しを要求、これを拒否すれば地球を破壊すると宣言し人類と円盤の戦いが始まるが、円盤は水中にもぐる能力もあるため、ガラス張りのプールのなかで水中撮影も行われている。 円盤の飛行シーンはすべて空中に張ったピアノ線を使い、怪光線だけはフィルムに筆で書きこむというのがシカケ。円盤中のロボットは額からは光線が出るが、これも筆の厄介になっている。 また新しい技術としては水中のロケット模型のうしろの方にタンサンソーダを入れ、突っつくとラムネの原理で見事に発進することや、ミニチュア市街燃え残りのシーンはいままでドライアイスで煙を出していたが、こんどマイナス二百度の液体酸素を使って効果をあげている。 [写真](下)空飛ぶ円盤の攻撃シーン(円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) |
新夕刊 昭和31年10月23日(火)4面 文芸、戦記、空想映画など 邦画六社の十一月公開映画 五月のゴールデン・ウイークとならんで一年の書入れ時といわれているシルヴアー・ウイークを含む十一月の邦画六社の公開映画が本決りしたが、シーズンにふさわしくメロドラマ、文芸映画、戦記映画、空想科学映画と各社ともそれぞれ自信作や異色作をならべている (中略)新東宝には戦記映画「軍神山本元帥と連合艦隊」と空想科学映画「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」がお目見得する、各社の番組はつぎのとおり (中略) 新東宝一週「軍神山本元帥と連合艦隊」(監督志村敏夫、主演佐分利信、藤田進、高島忠夫、宇津井健、田崎潤ほか オールスター)記録映画「第二次世界大戦・世界最後の大激戦」(八巻)二週「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」(監督関沢新一、主演高島忠夫、江畑絢子)三週「波止場の王者」(監督内川清一郎、主演宇津井健、久保菜穂子)四週「女競輪王」(監督小森白、主演前田通子) |
東京中日新聞 昭和31年10月25日(木)8面 スタジオ・メモ ◇「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」(関沢新一監督)高島忠夫、江畑絢子主演。完成。封切十一月七日。(国光映画製作) |
東京タイムズ 昭和31年10月26日(金)6面 負けるが専門の自衛隊 戦記物ブームに一役 日頃の猛訓練の真価を示す? このところ邦画では、戦記物や空想科学物がしきりに作られているが、その両方で、自衛隊が一役買っている。(略) 一方の空想科学物の方の役回りは、あまりパッとしたものではない。新東宝の「空とぶ円盤」(関沢新一監督)では“地球外の遊星”からの生物に歯が立たず、新発明のロボットができるまで手をつかねている有様だし、東宝の「ラドン」(本多猪四郎監督)でもさんざん痛めつけられる。 |
映倫審査(予告編) 昭和31年10月27日(土)14:30~ 恐怖の襲撃 於:国際ラジオセンター |
東京中日新聞 昭和31年10月31日(水)8面 戦記、メロドラマ―と色とりどり 十一月の邦画 特殊撮影を売る 空想科学もの そのほか 空想科学ものとして新東宝「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」が出るが、まずは特殊撮影がたのしみといった内容。 |
映画倫理規程審査記録88号 31.10.1~31.10.31(映画倫理規程管理委員會、昭和31年11月10日発行)p29 ◎予告篇の審査
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キネマ旬報 №159 1956十一月上旬号(キネマ旬報社、昭和31年11月1日発行)p122 撮影進捗状況 10月5日現在 新東宝
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画報 近代映画 昭和31年11月号(近代映画社、昭和31年11月1日発行) 新東宝では空飛ぶ円盤が怪光線により地球を襲撃するという空想科学映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」を製作している。写真は主演の新聞記者に扮する高島忠夫と、江畑絢子が円盤の模型を手にとつて見学しているところ。 [写真](高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップA) |
Cinema League №11(ニッポンシネマリーグ、昭和31年11月1日発行) 去る九月七日の火星大接近の前後から、謎の空飛ぶ円盤をめぐつて今や空前の宗宙ブームをかもし出したが、我が国でも“日本空飛ぶ円盤研究会”に寄せられた目撃談はすでに相当な数に上り、中でも徳川夢声氏は“空飛ぶ四角形”を見たという。果して“空飛ぶ円盤”の正体は何か?、何処から飛んで来るものか?、そして円盤内のロボツトはどんな生物なのか? かくの如き昨今の異常な関心に応えて、新東宝が製作した「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」は邦画界初めての純粋空想科学映画で、M87星雲から飛来したと推測される空飛ぶ円盤が怪光線により地球を襲撃、宇宙博士の発明になるR一号高性能ロケツトとの間に一大科学攻防戦を展開する。 主要登場人物は、大東京新報社の記者・林正夫に高島忠夫、その恋人で老博士の娘保科薫に江畑絢子、原子核研究の大槻博士に坪井哲、ロケツト博士の保科博士に杉寛、科研の黒井博士に増田順二、大杉助手に天知茂などの外に、“空飛ぶ円盤”“怪ロボツト”“R一号ロケツト”などが邦画スクリーンにデビユーするが、とりわけ“怪ロボツト”の姿態は相貌が昆虫めいて印象的である。オリジナル・シナリオを執筆、しかも演出に当る関沢新一監督は宇宙科学マニアで、長らく清水宏のチーフ助監督をつとめて来たが、これが第一回監督作品となる。 ※本格的な宇宙科学映画が登場(科学映画フアンむき) [写真](研究室内の高島・江畑・杉・天知氏のスチル) [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) [写真](ボート上で寄り添う二人に迫る怪ロボットのスチル) |
プレスシート
怪力光線に炎上する大東京の危機! 恐るべき怪ロボット出現! 空前の科学攻防戦を展開する特殊技術の成果! 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 [写真](円盤の怪光線で炎上する東京駅) [写真](怪ロボット) [写真](宇宙服姿で寄り添いあう正夫と薫の二人) M87星雲より地球を猛襲する謎の大円盤!恐怖の怪ロボット出現!人類全滅の日か!
ついこの間の火星大接近の前後から、謎の空飛ぶ円盤をめぐつて今や空前の宇宙ブームをかもし出したが、我が国でも“日本空飛ぶ円盤研究会”に寄せられた目撃談はすでに相当な数に上り、中でも徳川夢声氏は“空飛ぶ四角形”を見たそうだし森田たま女史も昨年の秋に実見記を書いている。 果たして“空飛ぶ円盤”の正体は何か? 何処から飛んで来るものか? そして円盤内のロボットとはどんな生物なのか? かくの如き昨今の異常な関心に応えて、新東宝がその最高技術を挙げて贈る「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」(脚本・監督・関沢新一)は、邦画界初めての純粋空想科学映画で、M87星雲から飛来したと推測される空飛ぶ円盤が怪光線により地球を襲撃、全人類は潰滅の危機に立ち至るが、宇宙博士の発明になるR一号高性能ロケットとの間に一大科学攻防戦を展開するというスリルと興奮の物語である。 主要登場人物は、大東京新報社の記者、林正夫に高島忠夫、その恋人で老博士の娘保科薫に江畑絢子、原子核研究の大槻博士に殿山泰司、ロケット博士の保科博士に杉寛、科研の黒井博士に増田順二、大杉助手に天知茂、などの外に、“空飛ぶ円盤”“怪ロボット”“R一号ロケット”などが邦画スクリーンにデビユーするが、とりわけ“怪ロボット”の姿態は相貌が昆虫めいて印象的である。 オリジナル・シナリオを執筆、しかも演出に当る関沢新一監督は宇宙科学マニアで、長らく清水宏巨匠のチーフ助監督をつとめて来たが、これが第一回監督作品となる新鋭中のホープである。 撮影は円盤・ロケット・ロボット・ジェット機などによる空中撮影のみならず、海中撮影もアクア・ラング使用によつて初めて試みられ、文字通りの空陸海三体に亘る大規模撮影が展開されている。 尚、特殊撮影には上村貞夫、特撮美術に西谷重次が、劇本篇撮影に黒田武一郎が当り、日本映画最高と云われる、新東宝の特殊技術を挙げて万全の布陣をしいている。 ★ 物 語 ★ 米ソの水爆実験が連日のように続けられ、東西から数万カウントを超える放射能雨を浴びて、日本全国は水爆ノイローゼの絶頂に達していた。この時、これまで幻覚として一笑に付せられて来た謎の空飛ぶ円盤による被害がニユーヨークから入電、やがて、ロンドン、香港からも入電。大東京新報社の編集局は俄然色めき立つた。その翌日、大阪に飛来したとの大阪支社の報道に接してから十数分経過後には早くも東京上空に異様な金属音を立てて現われた。防衛庁では早速これに対策を立てるべく緊急会議を開き、大変強力な破懐光線を武器とするこの謎の敵に対する防衛措置のために先ず原子核研究の大槻博士、科研の黒井博士の意見を聽取した。 大東京新報社の新鋭記者林正夫は、その恋人保科薫が秘書をしている大槻博士を訪れ円盤の正体に就て尋ねた。 大槻博士によると、円盤から発射される怪光線のエネルギーは地球上に存在しない物質、反陽子から構成されており、これに耐え得る高性能特殊金属の研究については、覆面の科学者の手によつて今や完成寸前にあると云う事だつた。 その翌未明、赤坂の国民テレビの鉄塔の尖端に巨大な円盤が現われた。直ちに自衛隊の機械化部隊は大挙現場に急行、電波網を通じて都全域は緊急事態命令下に置かれた。円盤の上下にある白球体からは怪光線が発射され、中からは怪ロボットが姿をみせた。円盤攻撃に飛立つたジェット機の数編隊は怪光線を浴び、瞬間にして空間に姿を消失、議事堂、テレビ塔など都会の中枢機関は次々に破懐されて行つた。 この悪夢のような現実の中にも宇宙科学陣は尚必死の研究を進め、ロボットの発する異様な音響の解読に成功したが、その内容は、今は亡きとされて来た宇宙科学の権威、保科老博士に当て、“ロケットを引渡さずば、地球を滅亡さす”とあつた。かの覆面の科学者こそ正にこの保科博士だつたのである。近代的設備を誇る研究室、そして地下大格納庫には、秘密のR一号ロケットの巨姿が横たわつていた。 円盤は、伊豆の西海岸に眠るこの保科博士の地下格納庫を嗅ぎつけてか、海中から接近して来た。と、いつしか怪ロボットが研究室に闖入、しかし、忽ち姿を見失つてしまつた。保科博士は直ちに誘導小型ロケット弾の発射を命令した。だが円盤は空中に多少の動揺を見せただけで急上昇で宇宙の彼方へ飛び去つた。ところが海底に姿を隠くしていたロボットが、折しも夜の海辺に寄り添う林と薫を襲い、薫は逆吊りにされて海へ連れ込まれ、波打際で瀕死の状態に堕つた。 一旦飛び去つた円盤は再び宇宙から飛来、その反撃が予想され、地球上は一大戒厳令下に入つた。円盤の発する怪光線の猛威は猖獗を極め、工場地帯は瞬時にして吹ッ飛ばされ、惨劇は地獄絵図を想わせた。他方、保科博士の伊豆の大格納庫では、円盤攻撃の準備を着々完了、遂に老博士によつてR一号ロケットは人類救済のために発進。と、この時研究室に闖入して来ていた怪ロボットの一撃を喰らつて老博士は失神した。大格納庫は円盤の攻撃を受けて木葉微塵に粉砕され、R一号は辛くも危機を脱して海中より急上昇、遁走せんとする円盤と一大空中戦を展開するのであつた………。
★全人類破滅の日か!地球を猛襲する宇宙の大円盤!! ★戦慄!全世界を襲う謎の大円盤!地球全滅の日は迫る!! ★M87星雲の怪円盤か!人智の成果R一号ロケットか!怪光線乱れ飛ぶ凄絶の科学攻防戦!! ★全国民の熱狂的関心に応えて放つ新東宝の本格的宇宙映画!空前の科学攻防戦を展開する最高特殊技術の成果!! ★M87星雲が全人類に総攻撃を開始!恐るべき地球最後の日!! ★巴里上空の大空戦!潰滅寸前の大東京!宇宙怪力光線に炎上する全世界!戦慄!驚愕!空前の科学攻防戦! ★宇宙の怪星雲より飛来する大円盤!恐怖のロボット出現!地球壊滅の日来るか!? ★崩壊する国会議事堂!折れ飛ぶテレビ塔!火焰に包まれる大東京ビル街!怪光線に地球の死近し!! ★宣伝ポイント★ ★日本映画初めての純粋空想科学映画として昨今、急激に関心を高めている宇宙科学の興味に焦点を合わせて頂きます。 ★この種の興味は、一般的に広汎なものですが、特に年少世代層に著しく強いと思われますから、学校をはじめ各種団体に呼びかけて団体動員を期待する事が、大きな宣伝ポイントとなりましよう。 ★更に最高の特技を示す、スチールなどで、興味を煽つて頂きます。 ★キヤストは地味ながらも、高島、江畑のスターにベテランを配した堅実なもの。 ★宇宙マニアの関沢監督が、充分に才腕を揮う一篇として、更に、日本最高と自負する新東宝特技陣の冴えを期待出来ましよう。 ★場内放送原稿★ 皆様、毎度御来場下さいましてありがとう存じます。次週は愈々○○日より新東宝がお贈りする期待の空想科学映画「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」の公開でございます。これは宇宙の怪星雲より突如、飛来した大円盤が、地球征服を目指して全人類に怪光線を放射、世界中の戦慄のうちに地球の危機は迫るが、最後に人智を集めた高性能ロケットと一大科学攻防戦を展開するという、スリルと興奮の物語でございます。 新鋭関沢新一監督が自ら脚本執筆、演出に当り、国光映画の製作になるもので、新東宝の特殊技術陣が素晴らしい最高技術の成果を見せるものでございます。主演は高島忠夫、江畑絢子をはじめ、天知茂、杉寛、殿山泰司、増田順二ら精鋭演技陣の競演でございます。 人類全滅の日か!地球を猛襲する宇宙の怪円盤!戦慄!驚愕!「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」。新東宝が映画技術の粋を集めて放つ、大空想科学映画「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」何卆、新東宝の「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」を御期待下さいませ。 [写真](円盤の怪光線で炎上する東京駅) [写真](浜辺で寄り添う二人と怪ロボットのスチル) [イラスト](怪光線を放つ円盤と対峙するR1号) [イラスト](ボート上で寄り添う二人に迫る怪ロボット) [イラスト](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤) [イラスト](宇宙服姿で寄り添いあう正夫と薫の二人)×同一3枚 [イラスト](国会議事堂に激突する円盤)×同一2枚 [タイトルロゴ 清刷り](縦書き墨文字) [タイトルロゴ 清刷り](縦書き白抜き文字) [タイトルロゴ 清刷り](横書き墨文字) [タイトルロゴ 清刷り](横書き白抜き文字) |
惠通シネマ・トピックス №3(惠通シネマ・トピックス社、昭和31年11月1日発行) 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 怪力光線に炎上する大東京の危機!! 遂に人類全滅の日来る? ★特別公開!! 11月7日より 池袋地球座にて上映!乞御期待★ 最近 洋画界には「空飛ぶ円盤地球を攻撃す」「怪獣ウラン」さらに「禁断の惑星」など空想科学映画が陸続として現われている。さきの火星大接近前後から我が国でも空飛ぶ円盤に関する目撃談が後をたたなくなって来た。徳川夢声老に至っては“空飛ぶ四角形”を見たそうである。果して「空飛ぶ円盤」の正体は何か?この異常な関心に応えて製作したものが「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」である。 これは邦画界初めての純粋空想科学映画で、ロケット、ロボット、ジエット機などの特殊撮影はいうに及ばず、海中撮影などアクアラングを動員しての大規模な作品。監督は巨匠清水宏のチーフをつとめていたアマチユア宇宙研究家、関沢新一の監督昇進第一回作。 内容は、米ソの水爆実験が続けられている頃、日本全国は水爆ノイローゼの絶頂に達していた。 この時、謎の空飛ぶ円盤による被害がニユーヨークから入電、早くも東京上空に異様な金属音が聞えてくる。防衛庁では早速、緊急会議を開き原子核研究所の大槻博士の意見を聴取。それによると、円盤から発射される怪光線のエネルギーは地球上に存在しない物質でこれに耐え得る高性能特殊金属の研究は完成寸前にあるという事だった。数日後、赤坂のテレビ鉄塔の尖端に円盤が現われた。攻撃に飛立ったジエット機の編隊は怪光線の為、空中に姿を消した。悪夢のような中で、遂に怪光線の破壊力にたえ得る特殊金属で作ったR一号ロケットが完成した。はたしてR一号ロケットと、怪光線を持つ円盤との科学攻防戦の勝負はいづれが……。主要登場人物には新進高島忠夫を始め江畑絢子。殿山泰司、増田順二らが熱演している。 ☆同時上映「アツカマ氏とオヤカマ氏」、岡田冬彦の漫画を映画化した傑作喜劇!小林桂樹、上原謙 森繁久弥の出演。監督は千葉泰樹 新東宝作品。 [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) [写真](エッフェル塔をはさんで対峙する円盤とR1号) |
旬刊ラジオ東京 昭和31年11月1日号(ラジオ東京) 特集 宇宙に挑むドラマ ★さて相呼応して起ったもうひとつの宇宙攻勢は、M87星雲から飛来したものと推測される円盤群がニューヨーク、ロンドン、香港に姿を見せはじめ、ついにある日東京赤坂のテレビ塔の頂きに現れる。東京都は直ちに緊急事態命令下に置かれ、ジェット機の編隊が攻撃に飛立ったが、円盤に備えられた白球体から発射される怪光線をあびて忽ち空間に消滅し去った。続いてテレビ塔も議事堂も瞬時にして破壊される。怪光線は地球上に存在しない物質、反陽子から構成されていて、これに耐え得る高性能特殊金属は、ただひとり覆面の老科学者の手によって完成寸前にある。しかも円盤から現われたロボットは、それを探知して「発明を渡すか、地球の滅亡を選ぶか」と通告する。──これは新東宝提供「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」関川歌一監督、高島忠夫、江畑絢子主演の空想怪奇映画。 [写真]高島忠夫と江畑絢子(二人が宇宙服姿で寄り添いあうスチル) [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) [写真](円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) |
木下ニュース No.8 昭和31年11月1日(木下興行宣伝部) これは單なるお伽話ではない!! 火星か? M87星雲か? 空飛ぶ円盤 恐 怖 の 襲 撃 邦画最初の本格的宇宙科学映画 国民の熱狂的關心に應えて登場
解 説 |
オールスポーツ 昭和31年11月1日(木)4面 “宇宙の夢”を映画に乗せて =意欲を燃やす関沢監督= 新東宝「空飛ぶ円盤・地球を襲撃す」 【世】界を刻々としめ上げる原・水爆の恐怖から逃れるかのように、人々の興味は宇宙の無限のひろがりに空想をはせて、新しい次元の世界を求めようとしている。その空想の所産が最近流行の科学映画だ。すでにハリウッドではこの種作品が続々と生れ日本でも数多く公開されているが、邦画では大映の「宇宙人東京に現わる」が一本あるだけ。いわば日本映画にとってこの空想科学映画―宇宙映画といった方がいいかも知れないが―は未開拓のジャンルといっていい。新東宝ではこの分野に目をつけその第一作として目下関沢新一監督で「空飛ぶ円盤・地球を襲撃す」を製作中である。「空想科学映画に人間の夢を…」と意欲をもやす関沢監督にこれからの映画―空想科学映画―に就ての抱負を語ってもらった。 実に魅力的な世界 数年前から空想してきた 誰でも子供のころは自分たちの住んでいる地球が宇宙にぽっかり浮んでいると聞かされて何ともいえない不思議さ、神秘さにとらわれるものです。そして宇宙とはどんなものかと好奇心も手伝って宇宙探検を夢みるようになります。しかし最近ではこの夢は子供ばかりでなく、大人たちの方がかえって熱中してるようですね。月世界旅行協会の手で五十万で何万坪もの月の土地を買ってみたり人間もなかなかユーモアに富んで来たものです。 この傾向はもう数年前から目撃者が騒ぎ立てている例の“空飛ぶ円盤”や近く実現するといわれる米、英その他の国の人工衛星により地球外への実際的な関心が高まって来た事も一つの原因ですが、何よりも“二つの世界”とか“原・水爆による未来戦”とか、住みにくい地球にあきあきして来た人間の心理が大きく影響して、地球の事を超越してしまうような宇宙に目を向ける気持になって来たんでしょう。 今度の「空飛ぶ円盤・地球を襲撃す」というのは数年前から僕の頭の中で空想して来たものですが映画の扱う題材もときにはこうした人間ばなれ、地球ばなれした物語も、頭脳のレクリエーションとしては必要なのじゃないかと考えています。がっちり現実と四つに組んだリアリズム映画も人類進歩のために必要でしょうが、僕は子供のころ好奇心にかられて夢中になった空想科学の世界に、映画は人間の夢をもっと奏でていいと思っています。空想するあの自由さ、のびのびとした楽しさ、実に魅力的な世界ですね。 “徹底的に面白く” 現実に捕われた映画に抵抗 フランス映画の「オルフェ」「美女と野獣」に示されたジャン・コクトオ・ファンタジー、ジャン・ドラノアの「賭はなされた」など一連の作品は、現実の生活の問題を幻想の中に持ちこんで、未解決というより生まぐさい人間ではいつまでたっても解決しようのない問題に一つの解決を与えてみるという試みがなされています。そのねらいが的を見事射抜いたかどうかは別として、案外空想科学映画など現実の中に身動きならなくなった人間に新しい目ざめを起す刺激を与えるのではないだろうかと思うのですが…日常生活にとらわれすぎている映画はモタモタして退屈じゃありませんか。一見荒唐無稽かもしれませんが、空想の世界で現実をいろいろ組み立て直してみることは人間の夢を充足する意味でメロドラマやチャンバラ映画よりも数倍も面白いと思います。この意味で今度の映画は“徹底的に面白く”ということを主眼として製作してます。 人間はどうも宇宙を地球の物差しで測り勝ちですが、これは避けられないことです。月の土地を買ったユーモアと同じセンスで考えてもらえばいいわけです。しかし空想も鳥のように飛びたい気持から飛行機が生れたように、すべて空想が人類進歩の原動力であると思えば、これから“空想科学映画”が次から次へと生れることはそれだけ人間の進歩が促進されるのだといって間違いありません。「海底二万哩」の原作者が百年前に考えた夢が今日実現していることを思うと、僕は現実にとらわれすぎた映画に抵抗する光栄を感じますよ。 [写真]=写真は関沢監督(浜辺で怪ロボットと握手する関沢監督のスナップ写真からトリミング) [写真]写真㊤と㊦は「空飛ぶ円盤・地球を襲撃す」の一場面(円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
スポーツニッポン(大阪版) 昭和31年11月1日(木)4面 十一月 興行街展望 (略)新東宝の空想科学映画「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」も予想外の結果を呼ぶかもしれない。 [写真]㊦「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」の各一場面(国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
京都新聞(夕刊) 昭和31年11月1日(木)4面 特殊撮影に懸命 邦画各社 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 怪光線は後で描く (略) (新)(東)(宝)ではかねて計画していた空想科学もの「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」をいよいよ実現することになった。空飛ぶ円盤は直径五〇㍍、その中から出てくるロボットは六尺九寸、これに対抗するロケットは十五㍍という構想。円盤は水中にもぐる能力もあるため、ガラス張りのプールのなかで水中撮影も行われている。円盤の飛行シーンはすべて空中に張ったピアノ線を使い、円盤は直径三㍍、二㍍、五〇㌢、二〇㌢などの各種をつくり大きいものはアップシーンの場面に使われる。怪光線だけはフィルムに筆で描くというのがシカケ。ロボットは人間がなかに入ってうごかすが、新しい技術としては水中のロケット模型のうしろの方にタンサンソーダを入れ、突っつくとラムネの原理で見事に発進効果をあげている。封切は七日。 [写真]㊦「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の一シーン(円盤の怪光線で炎上する東京駅) |
宝石 十一月号(宝石社、昭和31年11月1日発行)p138~p139 空飛ぶ円盤 一九四七年、飛行機搭乗員のアーノルドが謎の物体を発見して以来、幾度か世界の新聞紙面を賑わせて来たが、去る九月七日の火星大接近を契機として、謎の空飛ぶ円盤をめぐる関心は今や空前の宇宙ブームをかもし出したが、我が国でも“日本空飛ぶ円盤研究会”に寄せられた目擊談は旣に相当な数に上り、中でも徳川夢声氏は“空飛ぶ四角形”を見たそうだし、森田たま女史も昨年の秋に実見記を書いている。 果してこの“空飛ぶ円盤”の正体は何か? どこから飛んで来るのか? かくの如き昨今の異常な関心に応えて、新東宝が目下製作中の『空飛ぶ円盤恐怖の襲擊』(脚本・監督関沢新一)は、邦画界最初の純粹な空想宇宙科学映画で、M87星雲から飛来したと推測される空飛ぶ円盤が怪光線により地球を襲擊、宇宙博士の発明になるR1號高性能ロケットとの間に一大科学攻防戦を展開する。 主要登場人物は、大東京新報社の記者林正夫に高島忠夫、その戀人で覆面の科学者の娘保科薫に江畑絢子、原子核研究の大槻博士に殿山泰司、ロケット博士に杉寛、科研の黑井博士に増田順二、大杉助手に天知茂などの他、“空飛ぶ円盤”“怪ロボット”“R1號ロケット”が邦画スクリーンにデビューする。とりわけ、怪ロボットの姿態はその相貌が昆虫めいて印象的である。 オリジナル・シナリオを執筆、しかも演出に当る関沢新一監督は宇宙科学マニアで、永らく淸水宏巨匠のチーフ助監督として、映画製作のあらゆる部門にタッチして来た人だが、邦画のあらかたの自然主義作品やメロドラマには一向に興が湧かないという異色ある監督である。 空中撮影、海中撮影は上村貞夫技師の指揮する特殊撮影陣によつて行われている。 撮影日数延べ二ヵ月、封切は十一月十四日。 物語は、―――― “空飛ぶ円盤現わる”との報道に、大東京新報社の編集局は俄然色めき立つた。防衛廳では早速これが対策を講ずるため、先ず原子核研究の大槻博士の意見を聽取した。大東京新報社の記者林正夫はその戀人保科薫が秘書をしている大槻博士を訪れ円盤の正体に就て尋ねた。博士によると、円盤から発射される怪光線のエネルギーは反陽子から構成されており、これに耐えうる高性能特殊金属の研究については、覆面の科学者の手によつて今や完成寸前にあるとのことだつた。 その翌未明、赤坂の国民テレビの鉄塔の尖端に巨大な円盤が姿を見せた。直ちに自衛隊の機械化部隊は大挙現場に急行、都全域は緊急事態が宣告された。円盤の上下にある白球体からは怪光線が発射され、中からは怪ロボットが現われた。円盤攻擊に飛立つたジェット機の数編隊は瞬間にして空間に消失、議事堂、テレビ塔などの中樞機関は次々に破懐されて行つた。 この悪夢の現実にあつても宇宙科学陣は尚必死の研究を進め、ロボットの発する異樣な音響を解読、その内容は、今は亡き人とされた宇宙科学の権威保科老博士に宛て“ロケットを引渡さずば地球を滅す”とあつた。かの覆面の科学者こそ、正に保科博士だつたのである。近代的設備を誇る保科研究室、そして地下大格納庫には、極秘のR1號ロケットの巨姿が横たわっていた。 円盤は、伊豆西海岸にあるこの地下格納庫を嗅ぎつけてか、海中から接近。研究室には怪ロボットがいつしか闖入して来た。直ちに誘導小型ロケット彈が発射されたが、円盤は、空中に多少の動搖を見せただけで、急上昇で宇宙の彼方へ逃亡した。 海底に姿を隱していた怪ロボットは、折しも夜の海辺で抱き合う戀人たちを襲い、薫は逆吊りにされ、波打際で瀕死に墮つた。 一旦飛び去つた円盤が再び襲来。その反擊が予想され、地球上は一大戒厳令下に入つた。円盤の発する怪光線の猛威は猖獗を極め、工場地帶は瞬時にして吹ッ飛ばされ、惨劇は地獄絵図を思わせた。 他方、保科博士の大格納庫では、円盤攻擊の準備を着々進め、遂に、老博士によつてR1號は人類救済のために発進された。その時大格納庫は円盤の攻擊を受けて木ッ葉微塵に粉碎され、R1號は辛くも危機を脱して海中より急上昇、遁走せんとする円盤と一大空中戦を展開した。 ロケットを尻目に遙か宇宙に刻々姿を小さくしてゆく円盤に対し、遂にXQ陽子破壞砲が発射され、円盤は一大音響と共に十字架狀の爆煙を残して烏有に帰した。 かくてR1號は遙か宇宙から地球への帰途についたのである。 [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) [写真](エッフェル塔をはさんで対峙する円盤とR1号) |
映倫審査(完成映画) 昭和31年11月3日(土)19:30~ 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 於:国際ラジオセンター |
週刊東京 昭和31年11月3日号(東京新聞社) ラドンと円盤 これと対抗して新東宝でも「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」という科学空想映画をとっているが、これは例の円盤からロボットが出現、地球上を荒しまわるというお話。ハリウッド製科学映画と、いずれがいずれやらその腕くらべといったところ。 [写真]地球上せましとあばれまわる怪星からの空とぶ円盤は 東京上空にも現れて 交通の中心である東京駅を襲撃する(東京駅を攻撃する円盤のスチル) [写真]円盤の中から出現したロボット 強烈な光線を吐き すべてのものを燃焼させるが無気味な姿を葉山海岸に──(葉山海岸での遠景スナップ) [写真]空飛ぶ円盤丸ノ内に出現!オフィスの人達は驚きさわぐ(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) [写真]特殊撮影はざっとこんな工合に行われる(テレビ塔に留まる円盤の撮影スナップB) |
京都新聞(夕刊) 昭和31年11月3日(土)6面 次週の邦画 (略) ☆新東宝 初めてメガホンをにぎる関口新一自身のオリジナルによる空想科学映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」はM87星雲からの飛来と推測される空飛ぶ円盤が怪光線で地球を襲撃、宇宙博士の発明によるRⅠ号高性能ロケットと一大科学攻防戦を展開する。主演は高島忠夫、江畑絢子のコンビ。「軍神山本元帥と連合艦隊」が2週へ [写真]㊥「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の高島忠夫と江畑絢子(宇宙服姿で寄り添いあう正夫と薫の二人) |
試写会 昭和31年11月5日(月)13:00~/15:00~(2回上映) 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 於:丸の内ホール |
特別試写会 案内チラシ 国光映画製作・新東宝配給 空飛ぶ円盤、恐怖の襲撃 ★特別試写会★ 日時・11月5日 午後1時・午後3時 二回 場所・千代田区丸の内2ノ2 新丸ビル内丸の内ホール [写真](円盤の怪光線で炎上する東京駅) [写真](怪ロボット) [写真](宇宙服姿で寄り添いあう正夫と薫の二人) 傑作揃い!大作ばかり!躍進新東宝の5大作品! 「波止場の王者」「女競輪王」「檜山大騒動」「坊ちゃんの逆襲」「女優」 |
封切(第一週目) 昭和31年11月7日(水)~13日(火) 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 同時上映:軍神山本元帥と連合艦隊(第二週目) |
西日本スポーツ 昭和31年11月6日(火)4面 特殊撮影に粋をこらす邦画各社 北九州を襲うラドン 宇宙戦争を扱った“円盤” 『空飛ぶ円盤地球を攻撃す』『禁断の惑星』など洋画の空想科学映画が当たりをとり、日本映画でも日仏合作『忘れえぬ慕情』や『白夫人の妖恋』での特殊撮影の成功によって、日本映画界にも特殊撮影への関心が強まってきており、東宝、新東宝、日活などがくつわをならべて空想科学映画や戦争もので外国映画技術の水準におくれをとるまいと懸命な努力をつづけている――。 (中略) 新東宝では清水宏のチーフ助監の新人監督、関沢新一がかねて趣味として考えていた空想科学もの『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』をいよいよ実現することになった。氏はかつて漫画映画の画を描き、また流行歌を五十曲もつくったという人で『空飛ぶ円盤』は二年前からの企画だ。彼の研究によると空飛ぶ円盤は直径五〇㍍、その中から出てくるロボットは六尺九寸、これに対抗するロケットは十五㍍という構想。外国映画の『円盤』とちがうところは、超エネルギーの怪光線を円盤の中央から放射するのではなく、五本のみぞから出すようにして迫力をましている。円盤は地球人のロケット引渡しを要求、これを拒否すれば地球を破壊すると宣言し、人類と円盤の戦いが始まるが、円盤は水中にもぐる能力もあるため、ガラス張りのプールのなかで水中撮影も行われている。 円盤の飛行シーンはすべて空中に張ったピアノ線を使い、円盤は直径三㍍、二㍍、五〇㌢、二〇㌢などの各種をつくり、大きいものはアップシーンの場面に使われる。怪光線だけはフィルムに筆でかきこむというのがシカケ。ロボットは人間がなかに入ってうごかすがなかなか思いどおりにはうごけないので、そこはカメラの位置移動でごまかしている。ロボットの額からは光線が出るが、これも筆のやっかいになっている。破壊シーンではテレビ塔、約二㍍ぐらいの高さの議事堂、工業地帯などがつぎつぎと破壊されるが、これらはすべて火薬でこわす方針である。新しい技術としては水中のロケット模型のうしろの方にタンサンソーダを入れ、つつくとラムネの原理で見事に発進することや、ミニチュア市街の燃え残りのシーンにはいままでドライアイスで煙を出していたが、こんどはマイナス二〇〇度の液体酸素を使って効果をあげている。 (「最後の戦闘機」の記事は省略) [写真]㊤“空飛ぶ円盤”の東京駅攻撃シーン(円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) |
国際新聞 昭和31年11月7日(水)4面 映画手帳 邦 画 シルバー・ウィークもすんでホッと一息といつたところ、各社とも娯楽作を並べている。(中略) 新東宝 空想科学映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」(関沢新一監督)M87星雲から飛んで来た円盤と地球ロケットの攻防戦というわけ。高島忠夫、江畑絢子、増田順二が出演。 [写真]=写真は「空飛ぶ円盤」の一シーン(高島氏と江畑女史がそれぞれ円盤(中サイズ)とR1号のミニチュアを抱えているスナップA) |
東京タイムズ 昭和31年11月7日(水)6面 初の空想科学映画 「空飛ぶ円盤、恐怖の襲撃」 新東宝 同社初の空想科学映画「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」を公開する。最近の宇宙ものブームは世界的な傾向だが、中でも空飛ぶ円盤の実体についてはとみに関心がたかまっている。そういうブームに乗って新東宝の技術陣を総動員したのがこの映画だ。 物語は、各国から空飛ぶ円盤の怪光線による被害が報ぜられていたところへ、突然異様な音響と共に大東京の上空にもこのナゾの物体が出没しはじめ、水爆ノイローゼの日本人をあわてさせる。主要な建物はつぎつぎと破壊されてゆくがこの暴力には自衛軍の機械化部隊でもかなわない。だが日本の誇る科学者保科博士の地下大研究室では、反陽子で構成されている怪光線にもビクともしない特殊金属を使用したR1号ロケットが完成される、研究室は怪ロボットに襲われ危うくなるがロケットは無事脱出、XQ陽子破壊砲の威力がやがて空飛ぶ円盤を粉砕するという筋立ては例によって同じ 脚本・監督は永らく清水宏監督に師事していた関沢新一で、宇宙科学マニアの同監督が念願叶って昇進第一回目の演出となったもの。円盤の格好やロボットなども美術部苦心の作だし、このほか水中撮影にもアクアラングを使用するなど、あの手この手と新機軸を試みているが、戦争ものでお手並みを見せた同社の特殊撮影がどんな効果を見せるかが見もの。 キャストは高島忠夫、江畑絢子、坪井哲、杉寛ほかの出演で 撮影黒田武一郎、特殊技術上村貞夫、音楽草川哲。(七日より) [写真]「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」のロボットと高島、江畑(浜辺で寄り添う二人と怪ロボットのスチル) |
西日本スポーツ 昭和31年11月7日(水)4面 今週の新映画 ◇『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』(新東宝)M87星雲から飛来した空飛ぶ円盤と地球との一大科学攻防戦を展開した空想科学もの。出演高島忠夫、江畑絢子、脚本監督関沢新一 |
オールスポーツ 昭和31年11月7日(水)4面 映画物語 空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃 ◇…新東宝作品…◇ (「新東宝 STUDIO NEWS」の物語あらすじとほぼ同一のため省略)
[写真]☆…国会議事堂につき当る空飛ぶ円盤…☆(国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
大阪新聞 昭和31年11月8日(木)4面 今週の邦画 ◇新東宝「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」空想モノ流行の波にのって登場したMM87星雲からとんで来た“空飛ぶ円盤”が地球を襲撃、R一号という、おそるべきロケットがこれをむかえうつ。バカバカしいようなおはなしだが、肩はこるまい。監督関沢新一。高島忠夫、江畑絢子がでている。 |
サンケイスポーツ 昭和31年11月8日(木)4面 今週の邦画 「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」(新東宝) ◇「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」… 米ソの水爆実験が連日のように続けられ、日本はまさに東西から数万カウントを越える放射能を浴びて全国が水爆ノイローゼの絶頂に達した。この時、これまで幻覚として一笑に付せられて来た謎の空飛ぶ円盤による被害がニューヨークから入電、やがて、ロンドン、香港からも入電。大東京新報社の編集局はが然色めき立った。その翌日、大阪に飛来したとの大阪支社の報道に接してから十数分経過後には早くも東京上空に異様な金属音をたてて現われた。防衛庁では早速、この対策を立てるべく緊急会議を開き、非常に強力な破壊光線を武器とするこの謎の敵に対する防衛措置のため、まず原子核研究の大槻博士(坪井哲)を訪れ、円盤の正体についてたずねた。大槻博士によると、円盤から発射される怪光線のエネルギーは地上に存在しない物質、反陽子から構成されており、これに耐える高性能特殊金属の研究については、覆面の科学者の手で今や完成寸前にあるということだった。その翌未明、赤坂の国民テレビ鉄塔の先端に巨大な円盤が現われた。監督関沢新一。(写真は「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の一場面) [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
スポーツニッポン(大阪版) 昭和31年11月9日(金)5面 こども 空想科学映画のはなし トリックを使って 実際には起らぬ事件を想像で描く 空想科学映画が、いまさかんにつくられています、これはじつさいにはおこらないいろいろな出来事を、映画のなかで、ほんとうにあつたようにえがくもので、ふつうの映画とはちがつてとくべつにくふうされなければなりません、これはトリックといわれますが、このトリックがうまいか、うまくないかで映画のおもしろさがちがつてくるのはいうまでもないことです (中略) ②の写真はラドンのかわりに「空飛ぶ円盤(えんばん)」が東京(とうきょう)の銀座(ぎんざ)の町をおそつているところです、これは「空飛ぶ円盤・恐怖(きようふ)の襲撃(しゆうげき)」という映画です、こんなおそろしいものにおそわれた人間の科学(かがく)のちからを空想(くうそう)のなかにえがきだそうというのが、空想科学映画のねらいなのです [写真]②(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
毎日新聞大阪版 昭和31年11月9日(金)夕刊4面 週末映画ガイド 静かなる週末 ◇新東宝「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」特殊撮影に自信を持ってか矢つぎ早にトリックもの。高島忠夫の新聞記者は当然だが、殿山泰司と杉寛の博士が愛嬌。 [写真]「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の一場面(テレビ塔に激突する円盤とそれを見上げる二人のスチル) |
東京タイムズ 昭和31年11月10日(土)6面 映画評 特殊撮影が見もの 新東宝「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」 空飛ぶ円盤地球に接近の報に東京に防衛本部を設け、これを迎え撃とうというなかなか勇ましい話だが映画はテキパキ進まない。戦時中軍部に協力しないかどで拷問を受け不具者にさせられた科学者が世間からかくれて円盤襲撃用の秘密ロケットR1号を作っている。敵襲撃までにこれが完成するかどうかという点にサスペンスを盛ったらまだ迫力も出たに違いない。科学者の娘と新聞記者の恋人に余りこだわりすぎるため、折角空想科学映画として楽しみたいと思う心を割引させられる。常に地球に残っていて現われる一人の円盤人の行動は解せない。しかし特殊撮影はさすがに新東宝だけにうまい。 この程度に出来ればいい方である。ただR1号が水中を進む場面だけはオモチャ然としていただきかねる。円盤東京襲撃場面は案外簡単でスリルがないのは物足らない。 脚本・監督関沢新一。一時間廿分。(津) [写真]【写真は「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の一場面】(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
大阪日日新聞 昭和31年11月11日(日)2面 試写室 特殊撮影に気吐く 結構楽しく面白い 「空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃」 ◇新東宝作品◇ 新東宝作品「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」日本の空飛ぶ円盤研究会に寄せられた円盤目撃談は相当数に上っている。ひとり日本だけでない空飛ぶ円盤話はいまや世界的になっている。空飛ぶ円盤の正体は何か?何処から飛んで来るのか、目的は何か?新東宝のこの映画はこの疑問を基盤にして邦画界初めての純粋空想科学映画と銘打って製作されたものである。関沢新一監督、高島忠夫、殿山泰司、杉寛、天知茂、江畑絢子が出演している。 ☆…この種のものとしては一応合理性もあり理くつも通っていて決して見苦しい欠点を暴露していないのが何よりだ。日ごろちゃちな映画を作っている新東宝技術陣が、総力を結集して気を吐いた作品というべく、特殊撮影の成功は大いに買われてよい。純粋理論から見れば勿論大いに議論の余地はあろうが娯楽作品としては結構面白く見られる。変な宇宙人間が現われないのもよかった。色彩映画だったらもっと効果的だったろう。(小池) [写真]=写真は高島と江畑(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
中国新聞 昭和31年11月11日(日)10面
今週は日本映画では、松竹の青春映画「ここは静かなり」大映のメロドラマ「午後8時13分」日活の異色ホーム・ドラマ「愛は降る星の彼方に」新東宝の空想科学映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」などがあり、外国映画では「白鯨」「底抜けニューヨークの休日」「暗黒への転落」と珍しくも平面映画ばかりそろっている。 邦画 (中略) ○…新東宝系は「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」と「腕くらべ千両役者」の日本。「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」は最近流行の空想科学映画の一つで、M87星雲から飛来したと推測される空飛ぶ円盤が怪光線を放って地球を襲撃、これを迎え撃つ高性能ロケットとの間に一大攻防戦を展開するという筋書。すでにこの分野では優れた外国映画がいくつか封切られているが、果していかなる作品ができ上るか。特殊技術の巧拙が成否のカギであろう。関沢新一監督。 |
毎日小学生新聞 昭和31年11月11日(日)3面 新しい映画 空とぶ円盤 恐怖の襲撃 この映画の、おもしろいトリックさつえいのうら話は、十月七日づけでくわしく、おしらせしましたが、いよいよできあがりました。この前は、物語のすじは、くわしく、しょうかいしませんでしたから、きょうは、映画のすじを、おしらせしましょう。 物語は、空飛ぶ円盤がニューヨーク、ロンドン、ホンコンなどをおそい、すごい破壊光線(はかいこうせん)で、大きな建物もガス・ホルダーも、鉄道も、みんなこなごなにこわしてしまいます。 このことが大東京新報社へ電報で知らせてきた日、同社の林記者は、銀座で、空飛ぶ円盤を見ます。日本もおそわれるというので、防衛庁(ぼうえいちよう)では、原子核研究(げんしかくけんきゅう)の大槻(おおつき)博士、科学研究所の黒井博士たちの考えをきいて、円盤におそわれたときのじゅんびをします。大槻博士は「円盤から発しゃされる強い光線をふせぐ特別の金属(きんぞく)を、いま保科博士によって、研究されているが、それができあがるまでは、ふせぎようがない」と、いいます。 ところが、日本にも、東京赤坂の国民テレビ鉄塔の上に円盤があらわれ、ジェット機がとび、機械化部隊が出ても、かないません。国会も、テレビ塔もつぎつぎに、円盤の出す強い光線でやきはらわれてしまいます。おまけにカニのような形の、かたい鉄でつつまれたロボットがあらわれ、保科博士の研究したロケットをひきわたさないと、地球をほろぼすとおどします。 やがて円盤は、つぎからつぎへ日本の都市や工場地帯をおそいますが、その中で、保科博士は、伊豆の西海岸のひみつの研究所にたてこもって、破壊光線をふせぐ、特別の金属の研究をすすめます。やがて、R一号ロケットができあがります。博士はロボットに殺されますが、ロケットはみごと円盤をやっつけて地球をすくいます。 空想(くうそう)科学映画といって、子どもむきのおとぎ話を見ているような映画ですが、いやみのないのがとりえでしょう。(新東宝) [写真]東京駅をおそう円盤をむかえうつロケット(円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) [写真]円盤から出てきたロボット(浜辺で寄り添う二人と怪ロボットのスチル) |
サンデー映画 昭和31年11月11日号 4面(サンデー映画社) 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 怪光線で地球を襲撃 高性能ロケットと一大攻防戦 大東京新報社の編集局に、空飛ぶ円盤による被害がニユーヨークから、ロンドン、つづいて香港から入電し、色めき立たせた。その翌日、大阪に飛来したとの大阪支社の報道から、十数分たつて、早くも東京上空にも異様な金属音を立てて現われ緊張された。防衛庁では早速この対策を立てるべく、この謎の敵に対する防衛措置として原子核の大槻博士(坪井哲)移研の黒井博士(増田順二)を囲み緊急会議を開いた。 新鋭記者林正夫(高島忠夫)は恋人保科薫(江畑絢子)が秘書している大槻博士を訪れ、円盤の正体についてたずねた。それによると、円盤から発射される怪光線のエネルギーは地球上に存在しない物質、反陽子から構成されていて、これに耐える高精能特殊金属の研究については、覆面の科学者のによつて今や完成寸前にあるという事であつた。 その翌朝、国民テレビの鉄塔の尖端に巨大な円盤が現われたそして円盤の上下にある白球体から怪光線が発射され、中から怪ロボツトが姿をみせた。攻撃に向つたジエツト機の数編隊も怪光線を浴び瞬間に姿を消失、議事堂など都会の中枢機関は、次々に破壊されて行つた。 円盤は、覆面科学者として、RⅠ号ロケツトを製作中の保科博士(林寛)の地下格納庫をかぎつけた。RⅠ号こそ円盤に対抗する唯一のロケツトである。円盤の怪ロボツトは研究室に闖入するが、直ちに保科博士のロケツト弾の発射により姿を消し、円盤は宇宙の彼方へ飛び去つた。 一たん飛び去つた円盤は再び宇宙から飛来し、工場地帯は瞬時にして吹き飛ばされ、惨劇は地獄絵図をおもわせた。地球上は一大戒厳令下に入り、保科博士の大格納庫では、円盤攻撃の準備は着々完了、遂に老博士によつてR一号ロケツトは人類救済のため発進した。ところが怪ロボットの出現で老博士は一撃を喰つて失神した。 大格納庫は円盤の攻撃をうけ木葉ミ塵となるが、R一号は辛くも危機を脱して海中より急上昇、遁走せんとする円盤と一大空中戦を展開、ロケツトからついに、XQ陽子破壊砲が発射され、円盤は一大閃光とともに、十字架状の爆煙を残して消えていつた。かくてR一号ははるか宇宙から地球への帰途についた 脚本、監督関沢新一 特殊技術新東宝特殊技術陣 [写真]記者正夫(高島)薫(江畑)(二人が宇宙服姿で寄り添いあうスチル) [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
山陽新聞 昭和31年11月12日(月)3面 今週の映画情報 岡山 邦画 ☆…「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」(国光)宇宙の怪星雲より突如飛来した大円盤が、地球征服を目指して全人類に怪光線を放射、世界中の戦慄のうちに地球の危機が迫る。これを高性能ロケットで撃退するという空想科学映画。関沢新一の監督で、高島忠夫、江畑絢子が主演。(14日―20日「栄光と驀走王」と岡山劇場) [写真]「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」(二人が宇宙服姿で寄り添いあうスチル) |
週刊新潮 昭和31年11月12日号 p10 空飛ぶ円盤、恐怖の襲撃(新東宝)宇宙ブームにのって飛び出したニッポン製宇宙映画。M87星雲から飛来した“空飛ぶ円盤”が地球を襲撃、これを迎え撃つのが、R一号という高性能ロケット。かくして一大科学戦が展開というわけ。脚本・演出の関沢新一は“蜂の巣グループ”の一人で清水宏の門下生。高島忠夫、江畑絢子らが出演。 |
オリオン座ニュース No.19(桐生オリオン座、発行日不明) 文部省選定 優秀映画鑑賞会推薦 乳母車 同時上映 新東宝の空想科学巨篇 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 空飛ぶ円盤恐怖の襲擊
米ソの相次ぐ水爆実験に日本全国が水爆ノイローゼの絶頂に達した頃ニユーヨ-ク、ロンドンそして香港の各都市から、これまで幻覚と片附けられていた空飛ぶ円盤による被害が入電。大東京新報社の編集局は色めき立つ。その翌日、大阪に飛来との支社の急報後間もなく、東京上空にも出現。防衛庁では、強力な破壊光線を武器とする円盤の防術措置に 原子核研究の大槻博士、科研の黒井博士の意見を聴取する。新報の記者林正夫は恋人薫が秘書を勤める大槻博士を訪れ、円盤の正体を尋ねるが、怪光線に耐え得る特殊金属に完成寸前であると言う。翌未明、赤坂の国民テレビ塔の尖端に円盤が出現自衛隊機械化部隊の急行。円盤からは怪ロボットも姿を見せ、怪光線でジェット機編隊も瞬間に消失し、都の中枢機関は次々に破懐される。だが科学陣はロボットが発する通信の解読に成功。内容は、戦時中軍に非協力のため拷問で半身不隨になった宇宙科学の権威、保科老博士宛て〝ロケツトを引渡さずば地球を滅亡さす〟とある。円盤は、伊豆西海岸にある博士のR一号ロケツト地下格納庫へ海中から接近。誘導小型ロケツト弾の発射も円盤には効果がなく、そのまま飛び去る。薫は夜の海辺で林と寄り添う処を海底から出現したロボツトに襲われ瀕死の状態。円盤の反撃に地上は地獄絵図と化すがR一号ロケツトは遂に人類救済のため発進。だが老博士は、研究室に侵入したロボツトの一撃で失神する。円盤は遁走せんとする処を、R一号のXQ陽子破壊砲の発射で、一大閃光と共に消え去った |
封切(第二週目) 昭和31年11月14日(水)~20日(火) 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 同時上映:波止場の王者(第一週目) |
キネマ旬報 №161 1956 十一月下旬号(キネマ旬報社、昭和31年11月15日発行)p78 日本映画紹介 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 (解説・あらすじは省略) [写真]右下方、高島忠夫(右)と江畑絢子(国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
四国新聞 昭和31年11月18日(日)8面 来週の映画案内 高松封切 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 ☆大映☆ ナゾの空飛ぶ円盤をめぐつての空想宇宙科学映画。脚本は「女人曼陀羅」の関沢新一で併せて第一回の監督、特殊撮影に上村貞夫、特殊美術に西谷重次、劇本編の撮影は黒田武一郎が担当する。 米ソの相次ぐ水爆実験に日本全国はノイローゼの絶頂に達したころ、ニユーヨーク、ロンドンそして香港からこれまで幻覚として片づけられてきた空飛ぶ円盤による被害が入電。大東京新報社の編集局は色めく。その翌日、大阪に飛来と支社の急報後、東京上空にも出現。防衛庁では強力な破壊光線を武器とする円盤の防衛措置に、原子核研究の大槻、科研の黒井両博士の意見を求める。 新報の記者林正夫(高島忠夫)は恋人薫(江畑絢子)が秘書を勤める大槻博士を訪れ、円盤の正体をたずねるが怪光線に耐え得る特殊金属は完成寸前にあるという。その翌未明、赤坂の国民テレビの尖端に円盤が出現。自衛隊機械部隊が直に急行したが、怪光線でジエツト機編隊は瞬間に消失し、都の中枢機関は次々に破壊されて行く……。(二十一日から二十七日まで) [写真](ビルの谷間に現れる巨大な円盤のスチル) |
二番館 昭和31年11月21日(水)~27日(火) 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 |
旬刊ラジオ東京 昭和31年11月21日号(ラジオ東京) 表紙の人 江畑絢子 問 今、何に出ているの? 答 『地球はねらわれている』が題をかえて『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』って名前の映画になるんですよ。それに出ているんですけど、特殊撮影が多いんです。 |
三番館 昭和31年11月28日(水)~ 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 |
週刊娯楽案内 昭和31年11月29日号(東京娯楽案内社) スクリーンのアラ探し 「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」。そのおそろしい円盤がはるばる地球まで攻撃してきた理由は、日本の伊豆の博士の研究に止めをさそうというためなのだが、どういうわけか円盤君アメリカや中国をうろうろし、また日本にやってきてもちょいとテレビ塔の上に昼寝をしたり、そんなにまごまごしていれば博士の研究が完成してしまうではないかと、他人事ながらヤキモキする。あげくKRのテレビ塔、一度怪光線のために焼けた筈なのに、巻を追うにつれ、またニョッキリとそびえてた。日本の建築技術も大へん進歩したものです。 |
映画倫理規程審査記録89号 31.11.1~31.11.30(映画倫理規程管理委員會、昭和31年12月10日発行)p8 ○空飛ぶ円盤恐怖の襲撃(国光映画)
特に問題となる点はなく、審査を終了した。
同誌 p46
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映画ファン 昭和31年12月号(映画世界社、昭和31年12月1日発行) 純粋空想科学映画 空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃 撮影高潮 p64~65 『空飛ぶ円盤』とは、一九四七年六月二十一日、その最初の発見者であるアメリカの飛行家アーノルドによつて名ずけられたのである。それ以来謎の円盤は屢々世界の新聞紙面を賑わして来たが、去る九月七日の火星大接近を契機として又々空前の宇宙ブームを惹き起している。本邦でも、『日本空飛ぶ円盤研究会』に寄せられた目撃談はすでに相当数に上り、森田たま女史も昨年の秋に実見記をものしているほどである。 果してこの『空飛ぶ円盤』の正体は何か何処から飛んで来るのかそして円盤内のロボットとは如何なる生物か? かような昨今の熱狂的関心に応えて、すでに『空飛ぶ円盤地球を襲撃する』『禁断の惑星』と二本の洋画が未曾有の大ヒットを見せたが、邦画界でも、特殊撮影を得意とする新東宝が我が国最初の本格的宇宙もの『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』を公開することになつた。 M87星雲から飛来したと推測される空飛ぶ円盤が怪光線を発射して地球を襲撃、地球側の老宇宙博士の発明になるRⅠ号高性能ロケットの間に一大科学攻防戦を展開する、と云うのがこの映画のあらましだが、…… 扱てこゝに登場するのは、新聞記者の高島忠夫、原子核博士の殿山泰司、ロケット博士の杉寛、科研の増田順二、研究室秘書の江畑絢子は勿論だが、この他に、邦画スクリーンには初登場の『空飛ぶ円盤』『怪ロボット』『RⅠ号ロケット』がある。とりわけ『怪ロボット』は昆虫を想わせる相貌が極めて印象的である。…… この登場人物ならぬ登場物体たちは一体どんな活躍をするのか? 謎の空飛ぶ円盤による被害がアメリカから入電した翌未明、円盤が赤坂の国民テレビ塔の尖端に巨姿を現わすと、防衛庁は一流科学者を総動員して秘策を練る一方、自衛隊の機械化部隊を大挙現場に派遣するが、円盤の底部にある白球体から怪光線が発射され、それに導かれて、奇怪なロボットが姿を見せる。円盤攻撃に飛び立つたジエット機群は怪光線を浴び一瞬にして消滅、議事堂やテレビ塔など何なく破壊されていく。……この怖るべき怪光線は、地球上には存在しない物質、反陽子から構成されており、これに耐え得る高性能特殊金属の研究は覆面の老科学者によつて着々進められていると云うのである。ところで、そのロボット氏?は、身長六尺九寸、頭部は凡そ一米四方もあり、頭のてつぺんには触覚を連想させるような可動式の電波探知器を有し、複眼に当る部分はシャッター装置になつていて、ものを感じたり表現したりするときにはそれがカチャッ\/と開閉するのである。 怪ロボットの言語はやつと解読されたが、それによると『ロケットを引渡さずば、地球を滅す』と云う老宇宙博士に当てた最後通諜である。地球からは恐らく何千万光年と離れているM87星雲にも、我々地球の宇宙の権威の名は轟いていたわけである。 円盤はと云うと、直径五十米余と推定され、中心だけが廻転し、周囲の盤は静止している。そこには五本の溝があつてそこから怪光線が殆んどすべての方向に発射される。(因みにアメリカのは、中心はそのまゝで周囲の盤が廻るので飛行中は底部の白球体からしか発射できない)空中にジッと止つていることも出来るし、動き出す時に動揺すると云うのが特色のようである。(この“動揺”は、一流の科学者たちの真剣な論議の的になつている点でもある。) これを邀(むか)え撃つ我がRⅠ号ロケットは、伊豆西海岸に眠る地下大格納庫に祕められているが、むろん円盤の怪光線攻撃にも充分耐え得る特殊合成金属から出来ている。実長十五米で、調整室には、空間の隅々到るところをもキャッチ出来るテレビが備え付けられており、円盤を潰滅させるXQ陽子破壊砲を持つている。だが、この発射は地球類の存在を危くするので、残念乍ら、老博士によつて固く禁止されているのである。 円盤は、誘導小型ロケット弾の攻撃を受けて一旦宇宙の彼方へ遁走したかに見えたが、ロボット氏?は海底深く姿を隠くしていたのである。恋人たちが夜の浜辺でランデヴーをしているところに、ぬーッと姿を海面に現わす。娘(江畑絢子)は逆吊りにされ波打際で失神してしまうが、何を思つたかロボット氏は、そのまゝ再び海へ姿を消す。 円盤再び襲来、との天文台の発表に、地球上は一大戒厳令下に置かれる。東京上空に現われた円盤の怪光線による攻撃は勢い猖獗を極わめ、工場地帯は瞬時にして吹ッ飛ばされ惨劇は地獄絵図を想わせた。かくて老博士は遂に意を決してRⅠ号発射となつた。その時、研究室にはどこから忍び込んだか、ロボット氏が最後通告にやつて来た、異様な音響を立てゝ。NO!と首を横に振ると、老博士はロボットの一撃を喰らつて失神。同時に大格納庫は、海中から接近して来た円盤の怪光線攻撃のために木ッ葉微塵に粉砕され、RⅠ号は辛くも危機を脱して海中から急上昇、遁走する円盤を追つて宇宙の彼方へ小さくなつてゆく。然し、円盤はロケットを尻目に遙かに遁走してしまう。そこで遂にXQ陽子破壊砲が発射され、円盤は一大閃光と共に十字架状の爆煙を残して宇宙から姿を消してしまうのである。…… と、ざつとこんなわけであるが、この撮影は果してどんな風に行われるのだろうか? 撮影隊は二つに分れ、劇映画撮影と特殊技術撮影だが、特撮班は、先ず円盤、ロボット、ロケットの模型をつくる。円盤はクローズ・アップ用の直径三米、一米のもの、空中撮影用の五十糎のもの、又海中間のは軽いと浮いしまうので、木の中をくり抜きにしないで重くしてある。ロボットは現寸のまゝ六尺九寸の長身だが、中には六尺豊かな俳優が入つて操作する。頭上の触覚はモーター装置によつて廻転する仕掛けになつている。金網で型取つたものにプラスチックを塗り、その表面に銀粉をまぶし、水中撮影にも耐えるように熱処理をほどこしてある。ロケットはクローズアップ用の長さ一米のもの、空中用の五十糎、二十糎のもの、円盤同様水中用のは重くしてある。水中のロケット推進は、尾部に小型のボンベを嵌め込み、炭酸ソーダの固体を詰めておき、ショックを与えれば噴射して前進する仕掛になつている。 空中撮影は、特撮ステージ内にピアノ線を張り、ミニチュアを吊つて滑車を媒介に操作する。水中撮影は、海中のアクア・ラング使用による撮影、プールにプリンプ(キャメラと撮影者が入る箱)を沈めて撮る方法、水槽による撮影などがある。 特殊撮影の一つ、テレビ塔に円盤が止まるシーンの撮影の様子を述べると、‥‥‥ ステージの壁には遠景の雲がホリゾントに巧みに描かれ、キャメラ前のガラスには近景の雲が描かれて立体感をかもし出す。そして円盤は天井からピアノ線によつて吊られ、動きを与えられる。円盤が怪光線を発射してテレビ塔を一瞬にして消滅するくだりは―――先ず怪光線が一駒一駒に絵で書き込まれる。そして最後の一瞬は、テレビ塔を残して全白の画面をマスクで蔽つてその向う側でフラッシュを炊いて撮つたものを、テレビ塔だけをマスクして撮つたものと合成するのであるが、こうして、テレビ塔を離れて行く円盤、それから発射される怪光線、白熱消滅するテレビ塔が一つの画面に収められて我々の眼には如何にも現実的迫力を以て現われるわけである。 種明しはこの位にして、最后に、邦画界では初めての空想宇宙ものと取り組む新進関沢新一監督の異色ある横顔を紹介すると、戦前は漫画映画の絵を描き、戦後は、『蜂の巣の家』の一員として清水宏監督の片腕となつて以来十年、これがデビュー作となるが、関沢監督は幼少からの空想科学マニアで、二年に亘る構想が実を結んだものであると云う。 「メロドラマや写実主義の映画は全然興味がない。この作品の狙いは、空想の持つのびのびとした面白さ、楽しさにあるんです」と語つているのを見てもわかる通り、邦画界広しと雖も珍しいタイプの監督である。なおこの映画封切は十一月七日の予定である。 [写真]銀座四丁目上空をかすめる円盤(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) [写真]議事堂を襲撃する円盤(国会議事堂に激突する円盤のスチル) [写真]六尺九寸のロボットに襲われる……高島忠夫、江畑絢子(浜辺で寄り添う二人と怪ロボットのスチル) [写真]水中発射の特殊撮影(R1号の水槽撮影スナップ)
スタジオ進行表 p182 |
近代映画 昭和31年12月号(近代映画社、昭和31年12月1日発行) 火星か!M87星雲か、謎の空飛ぶ円盤の正体は? 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 新東宝作品 p42 ♣新東宝が目下製作中の「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」は、近年にない純粋科学映画で、M87星雲から飛来したと推測される空飛ぶ円盤の地球攻撃、これに対戦する宇宙博士の発明になるR一号高能ロケットとの間に一大科学攻戦を展開する。 ♣出演者は、新聞記者の林に高島忠夫、林の恋人役に江畑絢子、その他杉寛、増田順二等のメンバーです。又関沢監督は清水宏巨匠のチーフ助監からの一躍抜てきで、その第一回作品となりこの他特殊撮影を上村技師、美術を西谷重次が担当。 [写真](テレビ塔に怪光線を浴びせる円盤とそれを見上げる高島・江畑両氏のスチル) [写真]日本の中心部、東京駅が襲撃に会う(円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) [写真]恐怖に戦いた薫は恋人の正夫の胸に(宇宙服姿で寄り添いあう正夫と薫の二人) [写真]科学研究室にも恐怖の魔手は伸びて来たが皆は恐れなかった!(研究室内の高島・江畑・杉・天知氏のスチル) [写真]火星の怪人におそわれた薫の命は危い!(怪ロボットに左手を掴まれた薫のスチル)
シネマ・スクープ クイズ p68
スター消息 p148 |
読切倶楽部 十二月特大号(三世社、昭和31年12月1日発行)p42 新映画紹介 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 ★かいせつ★ “空飛ぶ円盤”の正体は何か? 何処から飛んで来るものか? そして円盤内のロボットとはどんな生物なのか? このような昨今の異常な関心に応えてのこの作品は邦画界初めての純粋空想科学映画でものがたりはM87星雲から飛来したと思われる空飛ぶ円盤が怪光線により地球を襲撃、宇宙博士の発明によるR一号高性能ロケットとの間に一大科学攻防戦を展開する。主要登場人物は大東京新報社の記者・林正夫に高島忠夫、その恋人で老博士の娘保科薫に江畑絢子、原子核研究の大槻博士に坪井哲 ロケット博士の保科博士に杉寛、科研の黒井博士に増田順二等。演出に当る関沢新一監督は宇宙科学マニアで第一回作品 [写真]高島忠夫と江畑絢子(宇宙服姿で研究室のコンソール前に待機する高島・江畑・天知のスチル) [写真]江畑絢子 高島忠夫(国会議事堂に激突する円盤のスチル) [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
読切小説集 十二月特大号(荒木書房、昭和31年12月1日発行)p58 新映画御紹介 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 新東宝映画 ■解説■ 空飛ぶ円盤の正体は何か? 昨今の異常な宇宙的関心の中にこの映画は吾が国初の純粋空想科学映画で、M87星雲から飛来したと推測される円盤が怪光線で地球を襲撃、地球側の高性能ロケットとの間に一大科学攻防戦を展開する。 配役は大東京新報の記者に高島忠夫、ロケット博士に杉寛、坪井哲、増田順二ら、高島の恋人役に江畑絢子。派手なトリック撮影が期待される。 [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
映画情報 十二月号(国際情報社、昭和31年12月1日発行)p50 空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃(新東宝) 宇宙科学マニアである関沢新一の第一回監督による空想映画。新聞記者に高島忠夫、その恋人に江畑絢子。空前の宇宙ブームをかもし出しています [写真]江畑絢子 高島忠夫(国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
別冊読切傑作集 二十五集(双葉社、昭和31年12月1日発行) 新映画紹介 新東宝映画 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 p35 米ソの水爆実験が連日のように続けられ、日本は放射能雨を浴びて、全国が水爆ノイローゼの絶頂に達した。この時、これまで幻覚として一笑に付せられて来た謎の空飛ぶ円盤による被害がニューヨークから入電、やがて、ロンドン、香港からも入電。大東京新報社の編集局は俄然色めき立った。その翌日、大阪に飛来したとの大阪支社の報道に接してから十数分経過後には早くも東京上空に異様な金属音を立てて現われた。防衛庁では早速これが対策を立てるべく緊急会議を開き、大変強力な破懐光線を武器とするこの謎の敵に対する防衛措置のために先ず原子核研究の大槻博士、科研の黒井博士の意見を聴取した。 [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) [写真](怪ロボットのスチル)
お好み娯楽室 我楽多案内 パール・クラブ p163 |
大衆小説 十二月特大号(双葉社、昭和31年12月1日発行)p56~p57 新東宝作品 恐怖の襲撃 ものがたり 米ソの水爆実験が連日のように続けられ日本は正に東西から数万カウントを超える放射能雨を浴びて、全国が水爆ノイローゼの絶頂に達した。この時、これまで幻覚として一笑に付せられて来た謎の空飛ぶ円盤による被害がニューヨークから入電、やがて、ロンドン、香港からも入電。大東京新報社の編集局は俄然色めき立った。その翌日、大阪に飛来したとの大阪支社の報道に接してから、十数分経過後には早くも東京上空に異様な金属音を立てて現われた。防衛庁では早速これが対策を立てるべく緊急会議を開き、大変強力な破壞光線を武器とするこの謎の敵に対する防衛措置のために先ず原子核研究の大槻博士、科研の黒井博士の意見を聴取した。 大東京新報社の記者林正夫は、その恋人保科薫が秘書をしている大槻博士を訪れ円盤の正体に就て尋ねた。 [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) [写真](浜辺で寄り添う二人と怪ロボットのスチル) |
小説の泉 12月特大号(双葉社、昭和31年12月1日発行)p42~p43 国光映画 新東宝配給 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃
米ソの水爆実験が連日のように続けられ、日本は正に東西から数万カウントを超える放射能雨を浴びて、全国が水爆ノイローゼの絶頂に達した。この時、これまで幻覚として一笑に付せられて来た謎の空飛ぶ円盤による被害がニユーヨークから入電、やがて、ロンドン、香港からも入電。大東京新報社の編集局は俄然色めき立った。その翌日、大阪に飛来したとの大阪支社の報道に接してから十数分経過後には早くも東京上空に異様な金属音を立てて現われた。防衛庁では早速これが対策を立てるべく緊急会議を開き、大変強力な破懐光線を武器とするこの謎の敵に対する防衛庁措置のために先ず原子核研究の大槻博士、科研の黒井博士の意見を聴取した。 大東京新報社の新鋭記者林正夫は、その恋人保科薫が秘書をしている大槻博士を訪れ円盤の正体に就て尋ねた。 大槻博士によると、円盤から発射される怪光線のエネルギーは地球上に存在しない物異性反陽子から構成されており、これに耐え得る高精能特殊金属の研究については、覆面の科学者の手によって今や完成寸前にあると云う事だった。 その翌未明、赤坂の国民テレビの鉄塔の尖端に巨大な円盤が現われた。直ちに自衛隊の機械化部隊は大挙現場に急行、電波網を通じて都全域は緊急事態命令下に置かれた。円盤の上下にある白球体からは怪光線が発射され、中からは怪ロボットが姿をみせた。円盤攻撃に尻立ったジエット機の数編隊は怪光線を浴び、瞬間にして空間に姿を消失、議事堂、テレビ塔など都会の中枢機関は次々に破懐されて行った。 [写真](宇宙服姿で振り返る正夫・薫・大杉の三人) [写真](円盤の怪光線で炎上する東京駅のスチル) |
家の光 昭和31年12月号(家の光協会、昭和31年12月1日発行)p48~49 地球あやうし 新東宝映画「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」 ロケットの水中撮影 『空飛ぶ円盤』は、今や世界的な話題となっています。とりわけ、去る九月七日の火星大接近は、ますます宇宙への関心をかきたてました。洋画では『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』、『禁断の惑星』など、宇宙映画が人気をさらいましたが、こんど新東宝でも『空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃』を公開することになりました。 話のあらすじは、M87星雲から飛んできたと推測される空飛ぶ円盤が、怪光線を発射して地球を襲い、地球側では宇宙博士の発明になるR1号高性能ロケットでたち向かい、激しい科学攻防戦を展開するというのです。登場人物は、高島忠夫、江畑絢子の恋人たちと、杉寛、殿山泰司、増田順二の博士になるみなさんです。 この映画では、なんといっても、『円盤』、『ロケット』、それに円盤から現われた『怪ロボット』の活躍が見ものだが、その撮影には特殊撮影が使われ、たいへんな苦心をしています。 『円盤』は、はるか宇宙の彼方からやってきて水中にもぐり、『ロボット』も海底に隠れたり、ぬっと海岸に姿を見せたりします。また、これを攻撃する『ロケット』を、海中に秘められた大格納庫から発射させるなど大活躍をします。そこで、ロケットが水中を進行するくだりは、水槽の中に二十センチほどの軽い模型のロケットをピアノ線で吊り、尾のほうには炭酸ソーダの固体を詰めたボンベをはめこんで、針でボンベの口をつっつくと、しゅうっと泡を吹いて前進します。そのため、水槽の水が一日で濁ってしまいます。ところが、いざ発射というときに、カメラののぞきガラスの前をミズスマシが、ゆうゆうと泳ぎ回り、とたんに撮影は、やり直しという苦心もありました。 人気者のロボット さて、つぎは円盤がテレビ塔の先端に止まり、怪光線を出して、一瞬にしてテレビ塔を消滅させる場面(シーン)があります。これは模型のテレビ塔を作り、円盤の四すみをピアノ線で吊り、天井から人が操るという仕掛けです。カメラの前のガラスには近景の雲が描かれ、ステージのホリゾント(壁)には、遠景の雲を描いて立体感を出します。怪光線は一こまごとに絵で書きこまれますが、テレビ塔が消えるところは、塔以外をボール紙で隠し、マグネシウムをたくと、その個所だけが白熱したようになって、瞬時に消えるような印象を与ます。 先日のロケでは、この円盤が海上に現われ、高島さんと江畑さんの二人があわててモーター・ボートから海中に飛び込む場面(シーン)がありました。泳ぎの不得手な江畑さんが、勇気を出して膚寒い秋の海に飛びこんだまではよかったが、無人となったモーター・ボートは、追手を尻目に、はるか沖へ向かって一目散。どうなることやら‥‥ 最後にこの映画の人気者、怪ロボットを紹介すると、身長六尺九寸、顔面は昆虫よろしく、てっぺんには触角のようなアンテナを持ち、これがぐるぐる回る仕掛になっています。目に当たるところは、スイッチを押せば開閉するようになり、この中に巨人が入って操作します。このロボットが海岸に現われるのです。(本誌記者) [写真]国会議事堂を襲う空飛ぶ円盤。 [写真]円盤がテレビ塔にぶちあたる特殊撮影。 [写真]巨大なロボットに腕をつかまれた江畑さん。(ロボットに片腕を掴まれる薫のスチル) [写真]模型の円盤とロケットを持って興ずる、高島さんと江畑さん。 |
平凡 昭和31年12月号(平凡出版) スタジオ告知板 世はまさに空想科学時代 新東宝映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」にはごらんのような奇妙なロボットが現われ地球上でひと暴れ [写真]葉山ロケで主演の高島(浜辺でロボットに首を掴まれる高島氏と江畑女史のスチル) |
明星 昭和31年12月号(集英社、昭和31年12月1日発行)p186 空想冐険映画の舞台裏 恐怖の襲撃 宇宙ブームの時代です 今度新東宝で作られる「空飛ぶ円盤・恐怖の襲撃」も星雲対地球の戦争を主題にしたもので、空飛ぶ円盤やロボット ロケットなどが特殊撮影によってふんだんに使われています。 [写真]ロボットをまん中に高島忠夫さんと江畑絢子さん [写真]空飛ぶ円盤の模型で直径三メートル 操縦室のフタをとると中の仕掛けがみえる [写真]キャッ ヒヤァ、タスケテクレイ [写真]ロボットは中に人間が入るシカケ [写真]手足をバラバラにされたロボット |
同誌 p194~p195 今月の話題映画 空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃 新東宝映画 世界的な宇宙への関心に応じて作られた空想科学映画です。空飛ぶ円盤強力ロボット秘密ロケットなどが登場する地球対星雲の宇宙戦争物語 「空飛ぶ円盤」は果して実在するのでしょうか。“たしかにこの眼で見た”という人がかなりありますし、科学者でさえ“実在しないとは断言できない”と言っています。最近、わが国にも「空飛ぶ円盤研究会」が誕生しましたが、とにかく大宇宙への関心が急激に高まっている折から、さっそく現われ出でたる空想科学?映画は、題して「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」。さて、そのストーリィは…… × × × 「空飛ぶ円盤ノ攻撃ヲウケ被害甚大ナリ」と、ニューヨークからの至急報。つづいてロンドンから、そして香港から……。空飛ぶ円盤は東京を目指しているのか! ここ大東新報社の編集局もがぜん色めき立った。原子核研究の大槻博士を訪ねた林記者(高島忠夫)は、謎の円盤が高性能の特殊金属でできていること、地球上には存在しない恐るべき怪光線を発射すること、またこれに対抗し得る唯一の武器XQ陽子破壊砲が、某科学者の手によって今や完成直前にあること、などを聞かされた。某科学者とは、林の恋人薫(江畑絢子)の父保科博士(杉寛)であった。 翌朝異様な金属音とともに、巨大な“円盤”が東京上空に現われた。直ちに、ジェット機の数編隊が応戦のため飛立ったが、なんたることぞ、怪光線を浴びるや、一機残らず空間に消滅してしまったのである。人類をあざ笑うごとく、“円盤”は議事堂をはじめ全都の建築物を、つぎつぎに破壊してまわった。ああ、地球の滅亡する日も近いか! だが諸君、保科博士の秘密格納庫では、R1号ロケットが“円盤”攻撃の準備を完了しているのだ。博士は、いつの間にか潜入してきた怪ロボットに倒され、格納庫は怪光線によって爆破されたが、一瞬早くR1号は飛上し、大宇宙に“円盤”と壮絶なる空中戦を展開。ついにそのXQ陽子破壊砲は円盤を粉砕し去ったのである。 [写真]議事堂を破壊する円盤を見上げる高島忠夫と江畑絢子(国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
北海道新聞(夕刊) 昭和31年12月1日(日)2面 スクリーン 観客は恐しくない 『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』国光映画作品 空飛ぶ円盤が、突然地球の上空に現れる。なんという星からやってきたのか、またどのような目的でやってきたのか、いっさいわからない。ただわかっているのは、どうやら円盤が地球に敵意を抱いているらしい――ということだけだ。ニューヨーク、ロンドン、香港などが円盤の発する怪光線のために被害を受ける。そして地球人全体が恐怖のとりことなった時、円盤はついに東京に現れる。東京は混乱する。映画(関沢新一脚本・演出)は、そのありさまを特撮利用のスペクタクルとしてみせる。 この種映画にあっては、最大限のケレンを用いて、とにかく観るものをうまくだましてしまった方が勝ちだ。そこで作者は円盤からロボットを出現させたり円盤の怪光線のおそるべき破壊力をみせたり、荷物をまとめて逃げだす群集の恐怖の表情をみせたりする。しかし迫力はほとんどない。特撮の技術は粗末だし、群集の処理の仕方も不手際。荷物を背負って逃げまわる連中のなかにニヤニヤ照れくさそうに笑っている者がいたりする。これでは迫力が盛りあがってくるはずがない。 ところで、この事件を追っかけるのは、新聞社の学芸部記者(高島忠夫)だ。彼は円盤の怪光線を防ぐ金属や、ものすごい威力を持った破壊砲の研究を進めている学者が日本にいるということを聞きこみ、恋人(江畑絢子)の協力を受けて、懸命にその学者をたずねる。ところが、その学者というのは、戦時中に死んだとばかり思っていた恋人の父親(杉寛)だ。父と娘との涙の対面、深刻化する円盤の恐怖、破壊砲による円盤退治…などが後半の主題。物語の趣向はけっこうなのだが、前半同様やはり迫力は感じられない。画面のなかの円盤は地球人を恐怖にたたきこんだが、ついにその画面をみつめる観客に恐怖を感じさせることができなかった。新東宝配給。(は) (写真は高島忠夫と江畑絢子) [写真](宇宙服姿で寄り添いあう正夫と薫の二人) |
ぼくら 昭和31年12月号(講談社)カラー口絵 空とぶ円盤 東京をおそう 国光映画・新東宝配給「空とぶ円盤 恐怖の襲撃」より どこからともしれずとんできた怪円盤が、とつじょ、首都東京をおそった。東京駅ふきんは、もえさかるほのおと、けむりにつつまれてしまった。世界にほこる日本の科学者、保科博士は、R一号高性能ロケットを発明して、この怪円盤を大宇宙のはてに追いはらい、おそれおののく人々をすくったのである。 [写真]怪円盤 円盤にのってきた怪ロボット R一号ロケット |
おもしろブック 昭和31年12月号(集英社)p32 怪物番付 おそるべき怪物映画の主人公どもが相撲をしたら…………というのがこの番付です。 (中略) 「空飛ぶ円盤」が「地球を攻撃」したときやってきたロボット。あぶなくなると水にもぐれるのが特色、昆虫とおなじ目をもっているのがご自慢。 [写真]西 大関 ダレス(怪ロボットの単体スチル) |
少年 昭和31年12月号(光文社)p176 「Q平新聞」ぼくらの地球を守れ! 諸君は空飛ぶ円盤をしっていますか? じっさいに見た人もあり、あるいは、広い宇宙のほかの星から、地球をていさつに来た宇宙人ののりものではないかといわれています。もし、その宇宙人がわるい心をもっていて、地球を攻撃しようとねらっているとしたらどうだろう? そんなこと! と、わらうかもしれない。しかし、ほかの星からの攻撃を、ほんきでしんぱいしている学者もあるのだ!(以下略) [写真]東京にあらわれた空とぶ円盤!(ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
キネマ旬報 №164 1956十二月下旬号(キネマ旬報社、昭和31年12月15日発行)p69~p70 日本映画批評 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 戸田隆雄 (本文省略) 上映時間八〇分 9巻 二一八〇米 紹介第161号
同誌 p114~p115 |
東京タイムズ 昭和31年12月15日(土)6面 稼ぎまくった東映 1956年度邦画界 各社配収ベスト・10は次の通り。(略) 【新東宝】①「軍神山本元帥と連合艦隊」②「四谷怪談」③「怨霊佐倉大騒動」④「隠密七生記・前編」⑤「隠密七生記・後編」⑥「金語楼の兵隊さん」⑦「続君ひとすじに」⑧「空飛ぶ円盤」⑨「新妻鏡」⑩「女真珠王の復讐」 |
西日本スポーツ 昭和31年12月16日(日)4面 一九五六年度映画界の回顧(8) 邦画配給収入 各社ベスト10 新東宝(①位~⑦位は省略)⑧『空飛ぶ円盤』 |
名画座 昭和31年12月26日(水)~ 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 |
CINEMA TIMES 映画時報 昭和32年1月号(映画時報社、昭和32年1月1日発行) 内外映画封切興信録 p64 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 新東宝=国光 現代科学 倫2452 11.7封切 9巻2180米 監督 関 喜誉仁 脚本 〃 撮影 黒田武一郎 演演 高島忠夫、江畑絢子、天知茂 解説 国光映画の第一回製作作品で、宇宙熱の人気をねらった、邦画最初の本格的空想科学映画である。正体の分らぬまま謎を秘めている空飛ぶ円盤が地球を襲撃し、それに対する博士たちの研究を描いたもの。 興行価値 邦画では異色的作品で順調な成績
景况 興行景気は横ばい p70
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近代映画 昭和32年1月号(近代映画社、昭和32年1月1日発行)p138
シネマ・スクープ クイズ 12月号の正解文 今年の邦画界では太陽族映画戦記物合作映画又新東宝では空飛ぶ円盤を題材とした空想映画の製作等種々の話題があった(以下略)
解きかた |
キネマ旬報 №165 1957新年特別号(キネマ旬報社、昭和32年1月1日発行)p77 第6回日本映画スチル・コンテスト 本誌読者と映画界を結ぶ恒例の優秀スチル・コンテスト ここに展示した日本映画のスチル中から最良と思われるもの一篇を選んで御投票下さい! 映画におけるスチルの重要性を理解し併せてスチル技術の向上を希う本誌スチル・コンテストは、映画界大方の賛同と読者諸賢の歓迎裡に、第七回を迎えました。本年も一そう多くの方がふるって投票に参加され、この催しが日本映画界の根幹として推進できれば、それにまさる幸はありません。 ■参加作品■ 31 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 式田俊一 題名の如く、空想的科学映画なので、スチルも、俳優を主に扱わず、空飛ぶ円盤を主に扱って空想的場面を強調し、すべてを合成して、スチルを作り上げました。新東宝映画。ローライコード5型 クスナーF3.5 f8 1/125 ネオパンSSS [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル)
同誌 p154 |
読切雑誌 昭和32年新年号(双葉社、昭和32年1月1日発行)p34~p35
新東宝映画 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 「空飛ぶ円盤」の正体は何か? 謎の円盤をめぐって今や空前の宇宙ブーム 目撃者はすでに相当な数に上つている。果してその正体は何か? 何処から飛んで来るのか? そして円盤内のロボットとはどんな生物なのか?、或る人々は一種の幻覚として一笑に付していた謎の円盤による被害がニューヨークから入電、やがてロンドン、香港から… 大東京新報社の編集局は、俄然色めきたつた。翌日大阪に飛来したとの報導に接してから十数分の後には早くも東京上空に、異様な金属音をたてて円盤が現れたのである。大東京新報社の記者林正夫(高島忠夫)は恋人保科薫(江畑絢子)が秘書をしている原子核研究の大槻博士(坪井哲)を訪れ円盤の対策について尋ねたが、円盤から発射される怪光線に耐え得る高精能特殊金属の研究が覆面の科学者によつて完成寸前にある事を知らされる。この間にも円盤によって東京の中枢機関は次々に破懐されてゆく…… [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
読切傑作集 第十巻第一号(双葉社、昭和32年1月1日発行)p30
物語 米ソの水爆実験が連日のように続けられ、日本は正に東西から数万カウントを超える放射能雨を浴びて、全国が水爆ノイローゼの絶頂に達した。この時、これまで幻覚として一笑に付せられて来た謎の、空飛ぶ円盤による被害がニューヨークから入電、やがて、ロンドン、香港からも入電。大東京新報社の編集局は俄然色めき立った。その翌日、大阪に飛来したとの大阪支社の報道に接してから十数分経過後には早くも東京上空に異様な金属音を立てて現われた。防衛庁では早速これが対策を立てるべく緊急会議を開き、大変強力な破壞光線を武器とするこの謎の敵に対する防衛措置のために先ず原子核研究大槻博士、科研の黒井博士の意見を聴取した。 [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) [写真](浜辺で寄り添う二人と怪ロボットのスチル) |
にっぽん読切小説読物 新年特大号(日本社、昭和32年1月1日発行) 邦画洋画新映画紹介 恐怖の襲撃 (宣伝用資料の粗筋のうち、円盤が赤坂のテレビ塔に出現するところまでとほぼ同一であるため省略) [写真](二人が宇宙服姿で寄り添いあうスチル) [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
CINEMA TIMES 映画時報 昭和32年2月号(映画時報社、昭和32年2月1日発行)
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キネマ旬報 №168 1957二月特別号(キネマ旬報社、昭和32年2月1日発行)p136 1956年封切日本映画一覧表
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キネマ旬報 №170 1957三月上旬号(キネマ旬報社、昭和32年3月1日発行)p64~p65 第6回日本映画スチル・コンテスト入選発表! 30位 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 28票(総投票集7,357票) |
NHK 昭和32年7月21日(日)20:15~21:35 放映 ①20:00~20:15 短編映画「自然は招く」(モノクロ12分/日本映画新社作品) ②20:15~21:35 劇映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」 |
東京タイムズ 昭和32年7月21日(日)3面 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 劇映画 【NHK‐TV夜8・15】国光映画社製作、関沢新一監督、高島忠夫、江畑絢子主演の「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の放送。 M87星雲から飛来した空飛ぶ円盤が地球を襲い、全人類が潰滅の危機にさらされるのが宇宙博士の発明したR一号高性能ロケットでこれを迎え撃ち、すさまじい科学攻防戦がくりひろげられるというスリラーにみちた空想科学映画。 |
ラジオ東京テレビ 昭和32年12月22日(日)16:30~18:00 放映 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 |
毎日新聞 昭和32年12月22日(日)6面 こどもダイヤル 科学好きのお友だちには「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」(KR後4・30)があります。M87星雲から飛来した円盤の襲撃に、地球側でも高性能ロケットを作って対抗します。 |
実話 臨時増刊 宇宙科学冒険特集(実話出版、昭和33年1月15日発行) 科学空想映画特集 (宣伝用資料の粗筋の全文とほぼ同一であるため省略) [写真](エッフェル塔をはさんで対峙する円盤とR1号) [写真](ビルの谷間を逃げる二人と巨大な円盤のスチル) |
バンビ・ブック第十八号 空飛ぶ円盤なんでも号(朝日新聞社、昭和34年9月25日発行) 小説・映画にあらわれた円盤 星 新一 邦画になると,新東宝の「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」があります。この円盤は,テレビ塔の上にとまるはなれわざをやってみせます。最後は地球側の海中からとび出すロケットR1号によって追われ,宇宙空間で撃滅させられるのです。 [写真]「空とぶ円盤恐怖の襲撃」の一場面(逃げ惑う人々と光線を放つ円盤のスチル) |
フジテレビ 昭和34年10月11日・18日・25日(毎週日曜)18:15~18:45 放映 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 |
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《 昭和三十九年 》
日本テレビ 昭和39年12月29日(火)14:15~15:45 放映 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 |
日本テレビ 昭和40年5月10日(月)~11日(火)14:15~15:30 放映 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 |
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《 昭和四十四年 》
キネマ旬報 臨時増刊 世界SF映画大鑑(キネマ旬報社、昭和44年11月20日発行) SF映画ガイド 大伴昌司 解説・編 (本文省略) [写真](テレビ塔に衝突する円盤のスチル)(p33) |
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《 昭和五十一年 》
週刊少年マガジン 昭和51年4月4日号(講談社)p289 こちら情報110番 懐しの少年映画7本立の特別上映会 3月20日(土)午後1~9時に東京・山野ホール(山手線代々木駅前)で“懐しの少年映画祭”が催される。入場料1000円。主催こども映画クラブ(☎****-*‐****)。映画は ①怪人二十面相 ②空飛ぶ円盤・恐怖の襲来 ③赤胴鈴之助・飛鳥流真空ぎり ④超人バロム1 ⑤まぼろし探偵・地底人襲来 ⑥仮面ライダー対ショッカー ⑦月光仮面・魔人の爪の7本立。なお、この記事を切りぬいて持参した先着100名は入場料100円割り引き、その他全員に月光仮面のブロマイドとチラシがプレゼントされる。 |
最新版 ヒーローロボット大百科(勁文社、昭和52年7月25日発行) ヒーローロボット大年表 ※年表の第一番目に「昭和31年/新東宝映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」(ダレス)」と記載(p217) ※「ダレス」のプロフィール(身長210㌢体重850㌔)を紹介(p218) [写真](怪ロボットの単体スチル) |
季刊 映画宝庫 №6 SF少年の夢(芳賀書店、昭和53年4月1日発行) ※座談会中で本作品名が触れられている(p35) ※SF映画フィルモグラフィでも紹介あり(p278) |
大特撮 日本特撮映画史(コロッサス編/有文社、昭和54年1月31日発行) 第九項 戦後特撮の流れ ※キネマ旬報評に沿ったと思われる否定的な言及あり。(p155) |
講談社ポケット百科シリーズ② ゴジラ大怪獣事典(講談社、昭和54年2月25日発行) 特撮 怪獣・SF映画年表 ※年表中で登場怪獣名を「ダレス」としたタイトル記載あり(p261) |
STRABOY エクストラNO1 日本SF映画大集合!!(笠倉出版社、昭和54年6月15日発行) 日本SF映画あらかると 児玉数夫 ※SF映画の系譜の中での短い紹介だが、やはり「~地球を襲撃す」と比較している。(p33) 空飛ぶ円盤恐怖の襲撃 ※「米映画「空飛ぶ円盤地球を襲撃す」(56')に日本特撮人がチャレンジした映画なんだ」との見出しをつけて、プレスシート等にある梗概を端的にまとめたものを掲載。 ※スチル写真の著作権表記を「©国際放映」としている。(p49) [写真](国会議事堂に激突する円盤のスチル) |
TOEN MOOK 世界の大怪獣ものしり大博士(聖 咲奇著/桃園書房、昭和54年11月1日発行) ※簡単な映画紹介のほか、「空飛ぶ円盤のロボット」として怪ロボットを紹介。(p94~p95) [写真](テレビ塔に衝突する円盤のスチル) [イラスト](怪ロボットのペン画イラスト) |
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《 昭和五十六年 》
季刊 宇宙船 vol.6(朝日ソノラマ、昭和56年5月20日発行) 特集4 特撮名作・スーパージャイアンツ ※新東宝映画の紹介として本作品名に触れている(p70) [写真](怪ロボットの単体スチル) |
季刊 宇宙船 vol.7(朝日ソノラマ、昭和56年8月20日発行) フラッシュ・ゴードンの思春記 第6回 聖 咲奇 ※文中にて本作品を紹介(p28) [写真](テレビ塔に衝突する円盤のスチル) [写真](怪ロボットの単体スチル) [写真](国会議事堂に衝突する円盤のスチル) |
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《 昭和六十年 》
大特撮 日本特撮映画史(コロッサス・コーオペレイション編/朝日ソノラマ、昭和60年1月31日発行) 第九項 戦後特撮の流れ ※前著の増補改定版。キネマ旬報評に沿った否定的言及あり(p155) |
SF怪奇映画ポスターコレクション 第2集(渋谷順子編著/映画堂出版、昭和60年10月15日発行) ※作品解説にて本作品の簡単な紹介あり(p99) [写真](ポスターを1ページ大でカラー採録)(p70) |
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《 昭和六十三年 》
フラッシュ・ゴードンの思春記(聖 咲奇著/朝日ソノラマ、 昭和63年6月30日発行) ※「宇宙船」での連載を纏めたもの。本作について簡単に紹介(p71) [写真](怪ロボットの単体スチル) |
シナリオ 1989年8月号(シナリオ作家協会、平成元年8月1日発行) クローズアップ・トーク① 関沢新一 元祖マルチタレントの素顔 「モスラ」から「涙の連絡船」の作詞まで ※桂 千穂氏による関沢新一氏へのインタビューを掲載。p59に「恐怖の襲撃」についての言及があるほか、附表「関沢新一シナリオ作品一覧」にも本作品名の記載あり。 |
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《 平成四年 (1992年)》
別冊宝島 映画宝島 vol.2 怪獣学・入門!!(JICC出版局、 平成4年7月2日発行) ※関沢新一氏プロフィール文中で唯一の監督作品として紹介(p126) |
写真で見る映画史 懐しの新東宝(ノーベル書房、平成6年8月15日発行) ※新東宝映画作品総覧に本作品の項あり(p240) [写真](ビル街に現われた円盤のスチル)(p73) |
現代教養文庫 カルト映画館 SF(永田よしのり編/社会思想社、平成8年11月30日発行) 宇宙ブーム到来 1950年代後半2 ※同項の文中で本作品名が触れられている(p213) |
キネマ旬報復刻シリーズ 大伴昌司コレクション 世界SF映画大鑑(キネマ旬報社、平成8年12月25日発行) SF映画ガイド 大伴昌司 解説・編 ※昭和44年発行の同書の復刻版。 [写真](テレビ塔に衝突する円盤のスチル)(p33) |
日本特撮・幻想映画全集(勁文社、平成9年6月5日発行) ※本作についての紹介あり(p69) [写真](ビル街に現われた円盤のスチル) |
にっぽん脚本家クロニクル(桂 千穂編著/ワールドマガジン社、平成9年8月20日発行) 関沢新一 ・オバケ映画と言われても荒唐無稽が好きだった ※前述の「月刊シナリオ」の連載を纏めたもの。関沢新一氏インタビュー中のp24~p25に本作品についての言及あり。 |
キネマ旬報別冊 動画王 vol.4 侵略SF特集(キネマ旬報社、平成10年3月10日発行) 銀河の孤独―50年代・60年代日本SF映画の侵略者たち 花山外吉 ※本作品と東宝映画「海底軍艦」との類似点の指摘あり(p131) |
季刊 宇宙船 vol.88(朝日ソノラマ、平成11年6月1日発行) NEW VIDEO & DISK INFORMATION 最新ビデオ&ディスク情報 特集・これが新東宝映画の世界だ! ※キネマ倶楽部から発売中である新東宝特撮作品の紹介記事にあわせて掲載。(p99) [写真]こいつは見たい!特撮SF「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」。(キネマ旬報 №161 目次ページ下段掲載広告の採録) |
季刊 宇宙船 vol.89(朝日ソノラマ、平成11年9月1日発行) SUPER STILL GALLERY 新東宝映画特撮秘宝写真館 ※本作品の内容について簡単に紹介、「海底軍艦」の原型であると指摘している。(p64) [写真]①は円盤から出現する怪ロボット“ダレス”(怪ロボットの単体スチル) [写真]②が地球を襲う怪円盤。(ビル街に現われた円盤のスチル) [写真]③はクライマックスに登場するR1号との攻防戦。(エッフェル塔をはさんで対峙する円盤とR1号) [写真]④の左は青年科学者に扮する天知茂。(宇宙服を着た天知茂・江畑絢子・高島忠夫諸氏のスチル) |
キネ旬ムック 宇宙生物大集合(北島明弘著/キネマ旬報社、平成11年11月20日発行) ※本作について簡単な映画紹介あり(p38) ※「地球防衛軍」スチル写真集の中に本作スチル2枚混入(p43) [写真](怪ロボットのデザイン画) [写真](円盤のプロップ写真) |
日本特撮映画アドCOLLECTION(徳間書店、平成12年1月20日発行) 宇宙、天災、未来戦争、空想科学こそ特撮映画の醍醐味 空想科学映画 ※本作についてポスターと簡単なスタッフ・キャストデータ掲載(p47) [写真](B2判ポスター) |
新映画宝庫 vol.1 モンスターパニック 超空想生物大百科(大洋図書、平成12年10月?日発行) 第2章 宇宙生命体との遭遇 ※本作について円盤が1機しか登場せず寂しいとの言及あり(p39) ※本作と怪ロボットについて周辺的な話題のコラムあり(p63) [写真](テレビ塔に衝突する円盤のスチル) [写真](怪ロボットの単体スチル) |
ウルトラマンはなぜシュワッチと叫ぶのか?(河崎実著/メディアワークス、平成13年1月5日発行) 第七章 ウルトラマンが地球人を救う本当の理由は何か?(p146) (本文省略) |
日本映画スチール集 ニヒル天知茂(石割平・円尾敏郎編/ワイズ出版、平成13年7月27日発行) ※本作のスチル写真のほか、巻末の「天知茂主要出演映画作品」一覧に本作データ掲載(p164) [写真](宇宙服を着た天知茂・江畑絢子・高島忠夫諸氏のスチル)(p11) |
オジさんの玉手箱(南 正時著/桜桃書房、平成13年5月31日発行)p184~p185 イケイケ「映画少年」だった頃 (本文省略) [写真]東京駅を襲撃する空飛ぶ円盤(空飛ぶ円盤恐怖の襲撃・関沢新一監督/昭和31年 資料・臼井純代) |
新映画宝庫 vol.4 スタークラッシュ 大宇宙映画放浪編(大洋図書、平成14年4月20日発行) 第八章 日本SF宇宙篇 ※「和製宇宙SFの誕生」で簡単に触れられているほか(p179)、本作品についての紹介あり(p184) [写真](怪ロボットの単体スチル) |
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《 平成十七年 (2005年)》
日本特撮・幻想映画全集(朝日ソノラマ、平成17年12月30日発行)p77 ※平成9年刊の改訂版。本作についての紹介は前版と同じ。 [写真](ビル街に現われた円盤のスチル) |
世界SF映画全史(北島明弘著/愛育社、平成18年4月18日発行) ※本作品についての紹介あり(p251) |
映画秘宝 2009年4月号(洋泉社、平成21年3月21日発行) ※特集記事「生誕60周年 これが新東宝だ」内コラム「新東宝特撮の世界」(Bazil著)にて、「妖蛇荘の魔王」と共に本作品への短い言及あり。(p57) |
ゴジラ 東宝特撮未発表資料アーカイヴ プロデューサー・田中友幸とその時代(角川グループパブリッシング、平成22年3月31日発行) ※「第3部 作品解説『続 キングコング対ゴジラ』関沢新一」(執筆:中村哲)での関沢氏プロフィールにて、「自らの脚本、監督作」として本作品の短い紹介あり。(p421) |
洋泉社MOOK 別冊映画秘宝 衝撃!超常現象映画の世界(洋泉社、平成22年5月8日発行) UFOと異星人映画の60年 山本弘 ※「日本の誇る円盤映画」の項で簡単な紹介あり。(p41) |
映画秘宝 2010年6月号(洋泉社、平成22年5月21日発行) EXPRESS 幻の映画『空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃』とは何か!? 猫山れーめ ※作品の内容と公開前後の概要を紹介した記事。(p13) [写真]『空飛ぶ円盤 恐怖の襲撃』試写会のチラシ。空飛ぶ円盤、R1号、怪ロボットが勢揃い(試写会チラシ)
マジで300万円!? フィルムの行方はどうなる!? 編・田野辺 |
※ここまでを一応の区切りとし、2010年4月23日以降で「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」を取り上げた記事については省略する。