JESFTV_04_Daibutsu.pdf(4,212KB)
この記事を作ったのはもう9年も前です。偶然立ち寄った演劇博物館の企画展(ふだん行かない2階でやっていたのです)にあのポスターが貼られていて、しかも未見のスチルが多数使われているのを見たとき、アッと声が出ました。複写をお願いしたところ、禁複写かつ提供用の画像データがまだ作られていない、専門業者によるデジタル撮影の費用を負担するなら画像データをお貸しする(要返却)とのことでした。手続きを経て大枚払って送られてきたCD-Rを見ると文字通り「デジタルカメラで一定距離から」撮影したもので、一応300dpiとはいえ、拡大すると文字の判読困難、スチルもブロック化してクオリティが非常に低いものでした。国立国会図書館の甘甘なデジタルアーカイブもそうですけれど、これでは文化財の「保存」にはなりません。塵のように小さなインクの染みひとつにも研究上の重大な情報が潜んでいる可能性があるのです。少なくともスキャンして原寸印刷すれば全く同じものが作れるような解像度でないと……と思いました。演劇博物館には足を向けて寝られないほどお世話になっており感謝も尽きませんが、撮影代を払った身としてはひとこと言うくらいの権利はあろうと思い、見苦しく愚痴を連ねました次第です。(2017.9.9)